2015年名古屋場所、40歳10か月で引退した旭天鵬が年寄「大島」を襲名し、モンゴル出身力士初の部屋付き親方となって以来、10年間でモンゴル出身親方が次々と誕生。今年の1月場所で引退した照ノ富士親方で7人目となる。
そのうち旭天鵬(元関脇、大島親方)、朝赤龍(元関脇、高砂親方)、白鵬(元横綱、宮城野親方=現在伊勢ヶ濱部屋預かり)、鶴竜(元横綱、音羽山親方)の4人が、師匠として部屋持ち親方となった。照ノ富士親方は5人目となる見通しだ。
「7月に師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が定年を迎えると同時に、『伊勢ヶ濱』の名跡を継承して部屋を持つ見通しになっている」(伊勢ヶ濱一門関係者)
現在、伊勢ヶ濱部屋は錦糸町駅近くの江東区に部屋を構えているが、この一門関係者はこう話す。
「当面は今ある伊勢ヶ濱部屋を借りる予定だが、来年1月場所後に予定されている引退相撲に合わせて新部屋を建設する予定とされています」
NEWSポストセブンではすでに、若手親方の「相撲の聖地・両国で現在更地となっている土地を確保し、すでに建設会社も決定して着工できる状態にあるという。130坪のほどの土地での大規模な構想で、建物は地上6階程度の相撲部屋と親方の住居も含めた複合ビルとする見通し。総額25億円クラスのプロジェクトになるそうだ」というコメントを報じた。
当該するとみられる土地には都内に住む所有者がおり、話を聞いたところ相撲部屋が建設されることを認めたうえでこう続けた。
「借地ということで建設会社と数年前に契約を結びました。当初、ビルを建てるという計画だった。ところが、あの場所は9階まで建てることができるが、それでは(敷地内に)駐車場を確保するのは大変だというので断念。そうこうしているうちに相撲部屋の話が出てきたようですね。
6階程度の建物にして、伊勢ヶ濱部屋が入るということで計画が進んでいるということは聞いています。もちろん随時報告は受けますが、建設会社に土地を貸しているのでそちらで進行しています。お洒落な建物にするそうなので、更地になっていますが完成までには1年近くかかると思いますよ」
相当な大規模プロジェクトとなりそうだが、相撲ジャーナリストはこう言う。
「一時閉鎖となって伊勢ヶ濱部屋に吸収されている宮城野部屋も、不祥事の前に日本橋に約485平方メートルの土地を購入していた。土地取得に15億円と伝えられているが、処分が解けないと部屋消滅の可能性もあって建設ができずに宙に浮いた状態が続いている。宮城野親方は弟子とひとつ屋根の下で暮らすことが条件となっており、これが足かせになっているという。照ノ富士はこうした状況を反面教師にして部屋建設を急いでいるようだ」
いずれにせよ、照ノ富士親方とモンゴル出身の先輩・白鵬の宮城野親方立場が逆転しつつある。