慶應義塾体育会アメリカンフットボール部(以下、慶大アメフト部)の部員複数名が20歳未満飲酒を行っていたことが明らかになった。かねてよりNEWSポストセブンが大学側に取材を続けていたところ、2月12日、慶大アメフト部が同大学体育会理事と、同部部長の名前で以下の声明を出した。
《2025年1月に、弊部の部員である20歳未満の学生2名による飲酒があったことを確認しました》
問題が起きたのは今年1月。都内のクラブで行われた大規模なパーティーだったという。三田会関係者によると、新成人を祝うイベントで数百人規模のパーティーが行われ、そこにアメフト部員も複数参加していたという。調査の結果、同日のイベントにおいて複数の部員が20歳未満飲酒を認め、自宅謹慎処分を受けたという。
20歳未満飲酒で大量処分の過去
今回の騒動を“単なる20歳未満飲酒”として片付けるべきではないと憤るのは、三田会関係者だ。
「同大学では、2012年と2013年に飲酒による死亡事故が発生しています。2012年はサークルに対し解散命令、2013年は学生団体に対して無期限活動停止を出すなど、大学として飲酒に関して厳しく臨むようになった。
とりわけ慶大アメフト部は、過去にも20歳未満飲酒騒動を起こしているのです。2023年4月、関西遠征の帰路で夕食をとった際に、20歳未満飲酒があったことが発覚しました。
大学側は、『20歳未満飲酒と部則(部活動中の飲酒の禁止)違反』にもとづいて、24人を退部、2人を謹慎とする処分を下しました」
当時、慶大アメフト部は一連の騒動について、『今回の件を厳粛に受け止め、再発防止に全力で努めて参ります』と声明を発表。しかし、再び20歳未満飲酒による騒動が起きてしまったのだ。
「個人が発信するのは言語道断」
今回の一件を受けて、慶大アメフト部では2月上旬に関係者向けに“緊急ミーティング”が設けられた。NEWSポストセブンはその場での一連のやりとりに関して独自取材。当日、監督や幹部から事態の説明や今後の活動方針の共有がなされたという。それによると、
《体育会(※各部活動を束ねる大学公認の上位組織)からの指示で20歳未満飲酒についての事実確認を行った。結果的に20歳未満の部員がいた。これ以上の内容をアメフト部として認識してはいない》
としたうえで、
《これまでの事案と今回の事案の違いは、部活動時間内に起きたのか部活動時間外に起きたのかというところ。今までは、部活動時間内ということで組織の問題として捉えられていたが、今回は個人の問題として考えているので、部として活動を停止するつもりはない》
という方針が共有されたという。さらに
《今回の件についてチームから対外的に発表するつもりはない。ましてや個人が発信するなど言語道断》
と強い言葉で関係者に“口止め”を行う場面もあったようだ。
大学側が回答
慶應義塾大学にも事実関係や今後の対応について問い合わせたところ、2月7日付で以下のような回答があった。
「学生による20歳未満飲酒については、アメリカンフットボール部から大学に報告されています。今後、当該学生の所属学部により事実確認にもとづいて対応がなされます。
20歳未満者による飲酒は違法であり、することもさせることも許されないこと、違法行為に対しては厳正に対処することを、繰り返し注意喚起しております」
慶大アメフト部がオフィシャルHPで声明文を発表したのが2月12日。“緊急ミーティング”での方針とは違った形での報告となった──。今度こそ、20歳未満飲酒を撲滅することができるだろうか。