7月3日の新紙幣の発行まで1か月を切りました。
需要が急増している券売機は、3か月~4か月待ち。人気ラーメン店では120万円をかけて無事、新紙幣に対応する券売機を購入しました。
一方、新しい券売機では使えなくなる紙幣もあるようで、しばらく混乱は続きそうです。
サイズや磁気などで識別される券売機
福岡県北九州市のラーメン店「麺工房とん平」。先週、店内に大きな機械が運び込まれました。
RKB本田奈也花アナウンサー「とんこつのいい香りがしています。ラーメンの仕込み作業真っただ中行われているのが新紙幣に対応した券売機の取り換えです」
紙幣は、サイズや磁気などで識別されます。新しい券売機には、現在使われている紙幣のデータに新紙幣のデータが加わります。
使えなくなる紙幣も
一方で、削除されるデータも。
券売機を取り扱う「自動サービス」 櫻井成晃さん
「夏目漱石の紙幣とか新渡戸稲造の紙幣は使えなくなります。」
Qまだ使う人はいるのでしょうか?
券売機を取り扱う「自動サービス」 櫻井成晃さん
「たまにいますね。年に1枚くらい見ることがあります」
券売機で使える紙幣はひとつ前のものまで。使える種類を増やすと偽造されるリスクが高まるためだといいます。
こちらのラーメン店の券売機はこれまで現金のみの利用でしたが交換を機にQRコード決済にも対応できるようにします。
120万円は勇気がいる投資・・・でも必要
取り換え価格は、約120万円です。
麺工房とん平 平川大地店長「結構痛手というか、そこに投資するのはだいぶ勇気のいることですけど、券売機ってすごく重要で、券売機を置くことによって1人2人従業員が少なくても、店をまわせる状況になります。それを考えると、この投資は必要」
券売機は品薄状態
一方、全ての飲食店が新紙幣に対応出来る状態ではありません。
福岡県で券売機や両替機の販売・メンテナンスを行う「自動サービス」はこれまでにない、品不足の状態が続いていると話します。
「自動サービス」 荒木博さん「梱包されている新しい機械は全機種行き先が決まっているもの。全く足りないです。今これを含めても100台以上必要になっています。」
主な取引先は九州・沖縄・山口・四国の飲食店で今年に入ってから、券売機の注文が急増しました。
製造メーカーによると、部品が揃わず生産が追いついていないということです。
今、注文を受けても設置まで3か月から4か月待ち。新紙幣発行までに間に合わないケースもでてくるということです。
「自動サービス」 荒木博さん「お客様にはご説明した上でご理解いただくようにしてますが、大変です。」
ATMや鉄道の券売機は?
日本自動販売システム機械工業会によると、その他、紙幣を取り扱うATMや鉄道の券売機は7月までにシステム更新などがほぼ終わる見通しだということです。
一方、全国に約221万台ある自動販売機のうち、新紙幣に対応できるものはまだ2~3割にとどまっているということです。