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姉の首を絞め殺害し通帳を奪った罪に問われたホームレスの女 ”謎多き強盗殺人事件”きょう初公判

RKB毎日放送 2024年7月5日 0時2分

去年6月、福岡県水巻町の町営住宅でこの部屋に住む辻つぐみさん(当時52歳)に催涙スプレーを噴射し、首を絞めて殺害したうえ、通帳を奪ったとして強盗殺人の罪で起訴された妹の和美被告(52)。

長年ホームレス生活を続けながら、通りすがりの人に”性的サービス”をして日銭を稼いでは、共犯とされる知人の女(強盗致死の罪で起訴)に現金を渡し続けていたとみられている。

捜査関係者が「異様な人間関係」と語る”謎多き強盗殺人事件”の裁判員裁判が5日始まる。

北九州市の歓楽街から姿を消した「ワンコイン」と呼ばれた女

北九州市八幡西区にあるJR黒崎駅前の歓楽街。

昼の時間に駅前にあるパチンコ店や公園に現れる有名な女がいた。

周辺の店の人によると、女は夏でもマスクを着用し厚着だったという。

いつも大きなリュックサックを背負い、両手に大きな荷物を抱えていた。

周辺の飲食店関係者によると、この女は、パチンコ店から出てくる人に声をかけ、ホテルやトイレで性的なサービスを行っていたという。

”1回500円”という話があったことから女のことを「ワンコイン」と呼ぶ人もいた。

歓楽街で有名だったという女は、ある事件の発生を境に姿を見せなくなったという。

閑静な住宅街で起きた惨事52歳女性が遺体で見つかる

その事件は閑静な住宅街にある2階建て町営住宅の1室で起きた。

2023年6月5日、福岡県水巻町でこの部屋に住む辻つぐみさん(当時52歳)が遺体で見つかった。

司法解剖の結果、死亡原因は首を圧迫されたことによる窒息。

6月2日から3日ごろに亡くなっていた。

つぐみさんは、居間にうつ伏せで倒れていて、両手両足が縛られていた。

首を絞められた痕があり、襲われたときについたとみられる複数のあざも確認された。

警察は殺人事件と断定し、捜査本部を設置した。

近所の住民は、つぐみさんに「ハキハキして痩せて優しい人。。『おばあちゃんおはよう、今から仕事行ってくるね』と明るく声をかけられた」と語っていた。

事件発覚から2か月強盗殺人事件に関与した疑いで妹とその知人を逮捕

事件が動いたのは、発覚から2か月後の8月18日。

警察は、つぐみさんを殺害し、預金通帳などを奪ったとして、妹の辻和美被告と、その知人の岡村恵美被告を強盗殺人など疑いで逮捕。

検察は、和美被告を強盗殺人などの罪、岡村被告を強盗致死などの罪でそれぞれ起訴した。

起訴状によると、和美被告は、姉のつぐみさんに催涙スプレーを噴射し、首を締め、窒息させて殺したうえ、つぐみさんの通帳3冊と印鑑1個、軽乗用車などを奪ったとされる。

さらに、奪った通帳と印鑑を使って銀行から73万80000円を引き出したとして、詐欺などの罪にも問われている。

姉への強盗殺人事件で起訴の妹その人物像は

辻和美被告は、18~19年ほど前、福岡県遠賀町の産業廃棄物処理会社で働いていた。

当時を知る人によると、ビンやカン、アルミの選別作業に従事していたという。

当時の和美被告を知る人は「あっさりした人。体格が良くて背が高くてどっしりした人」などと語っていた。

ホームレスだった和美被告日銭を稼ぎ現金を岡村被告へ

捜査関係者によると、長年、北九州市八幡西区のJR黒崎駅周辺で公園などを転々とし、少なくとも十数年にわたって日銭を稼ぎながらホームレス生活をしていたという和美被告。

ともに起訴された岡村被告とは20年以上前に職場で知り合ったとみられている。

和美被告は、ある時期から様々な名目で岡村被告に現金を支払っていたという。

自身はホームレスをしながら、日銭を稼いでは岡村被告に渡していた。

その額は、10数年間で数千万円。

つぐみさんの通帳から引き出された73万8000円もほぼ全て岡村被告に渡ったとみられている。

”謎多き強盗殺人事件”5日に初公判

捜査関係者は、こうこぼした。

「異様な人間関係の中の事件だよね」

取り調べに対し、和美被告は、「催涙スプレーを噴射して手足を縛り、通帳などを奪ったが、殺してはいない」「第三者が殺した」と供述していたという。

JR黒崎駅前の歓楽街で「ワンコインの女」と呼ばれていたのは和美被告だったのだろうか。

”謎多き強盗殺人事件”の裁判員裁判は今月5日から計9日間の日程で実施される。

法廷では、岡村恵美被告やつぐみさんの遺族、法医学者が証言台に立つ予定となっている。

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