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レトロな佇まいが魅力 昭和期のアパート「冷泉荘」が国の有形文化財に 茶の収蔵倉庫や農村集落の住宅も登録

RKB毎日放送 2024年7月19日 17時6分

福岡県の国の有形文化財として、戦後復興期に建設された福岡市のアパートなど、新たに3つの建造物が登録されることになりました。

戦後復興期の昭和33年に建設

国の有形文化財に登録される1つが、福岡市博多区上川端町の「冷泉荘(れいぜんそう)」です。

「冷泉荘」は戦後復興期の昭和33年に建設されたアパートで、鉄筋コンクリート造りの地上5階地下1階建てとなっています。

中住戸部のほか、旧共同浴場や地下倉庫などの共用施設から作られていて、階段室の開口部や屋上から突き出た塔屋などの外観が特徴です。

「田所商店倉庫」鉱滓煉瓦の外壁

2つ目は北九州市八幡東区にある「田所商店倉庫」です。

昭和前期に建設された平屋建ての倉庫は、戦後、茶舗を営む田所商店の所有となり、茶製品の収蔵倉庫として使用されてきました。

屋根には波のような形の桟瓦が使われ、外壁などは高炉で鉄を取り出す過程で出るスラグを再利用した「鉱滓煉瓦(こうさいれんが)」で造られています。

「鉱滓煉瓦」は明治40年=1907年から官営製鐵所で生産が開始され、北九州地域を中心に建材として使用されているもので、地域性豊かな倉庫として評価されました。

「吉村家住宅主屋」杉皮を重ねた茅葺屋根

3つ目は、うきは市浮羽町の農村集落にある「吉村家住宅主屋」です。

昭和前期に建設されたこの住宅の特徴は杉皮を重ねた茅葺屋根です。

この地域では林業の発展に伴い、大正期ごろから杉皮を屋根の葺材として盛んに使用してきました。

しかし、林業の衰退などにあわせて、多くの民家の屋根がトタンに変わったため、今では杉皮葺の屋根の民家は稀少となっています。

福岡県内の国の有形文化財(建造物)は今回の登録で、222件となります。

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