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この暑さ…車内の温度はどうなる? JAFが実験映像を公開 バス内に取り残された園児死亡事件から3年

RKB毎日放送 2024年7月26日 17時43分

福岡県中間市の保育園で、5歳の園児が炎天下に送迎バスの車内に取り残され死亡した事件から、7月29日で3年になります。夏の車内の温度は恐ろしいものです。車の大きさで上がり方に違いはあるのか、どれくらいの時間で体に影響が出る温度になるのか――。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が新たな実験映像を公開しました。

「鍵閉じ込め」子供やペットが車内に…

JAFによりますと、2023年7~9月までの3か月間で、車の中に鍵を閉じこめてドアが開かなくなったことでJAFが救助に出動した件のうち、子供やペットを車内に残したままのケースが42件あったということです。

実験は2023年8月末、送迎用バスとミニバンで行われました。車内4か所にセンサーを設置し、エアコンを停止してから温度の変化を測定します。

急激に上昇する車内温度

正午に測定開始。外気温は39度、車内の温度は22度です。時間がたつにつれ、車内の温度は上昇。30分後、外気温と車内の温度は変わらなくなりました。日が当たるダッシュボードは46.8度まで上がりました。そして、1時間が経過すると…。車内の温度は40.2度と、外気温を上回りました。3時間が経過すると、車内の温度は48度、ダッシュボードは57.8度まで上昇しました。ミニバンでも、1時間後には車内の温度が40度を超えていて、車両の大きさによって車内温度に大きな差はみられませんでした。

熱中症の危険40分で「危険レベル」に

この実験では車内で熱中症の危険度を示す「暑さ指数」も測定されました。これも送迎用バス、ミニバンと上昇の仕方に大きな差はありません。わずか3分後に「注意レベル」、約10分後に「警戒レベル」に。約20分後には「厳重警戒レベル」、約40分後に「危険レベル」に達しました。

子供は短時間で危険な状態に

熱中症のメカニズムに詳しい帝京大学医学部付属病院の三宅教授は「仮に人が車内にいれば、体温や吐く息などによって、暑さ指数はこの実験結果より早く上昇するだろう。子供は暑さに対する抵抗力は弱く、短時間でも車内に放置することは危険」としています。

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