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高校生が市長に政策提言「リバースメンター」時事ユーチューバー・たかまつななさんも一役

RKB毎日放送 2024年7月26日 19時27分

今、企業や団体などでは知識や経験の豊かな先輩が後輩を指導・サポートする「メンター制度」だけではなく、先輩が後輩に教えを請う「リバースメンター制度」の導入が広がっています。

この制度を採り入れた福岡県古賀市で市長に助言をするのは高校生です。

多様性の尊重が強く求められる中、従来の価値観を超えた助言が期待されています。

高校生が市長に助言!?「リバースメンター」全国2例目

福岡県古賀市 田辺一城 市長
「僕には生まれて来ない、そんな政策が必ず生まれると大いに期待していますので、そして出てきた政策は本当に実行します。」

福岡県古賀市の田辺一城市長の「リバースメンター」を委嘱された4人の高校生。

古賀市に住む、もしくは市内の高校に通う生徒たちで、高校生の目線で感じる問題点や実現したい政策について、これから市長に助言をしていきます。

古賀市によると、高校生が自治体トップの「リバースメンター」に就任するのは、群馬県に続き全国で2例目だということです。

市長「大人からは出てこない意見」

九産大九州高校2年 明石真歩さん
「私が提言する内容はヤングケアラーと教育支援についてです。」

就任初日の意見交換会では、早速、高校生たちが感じる問題点や望んでいる政策が市長に投げかけられました。

玄界高校1年 大塚愛月さん
「自転車と歩行者が通る道をきっちりと分けて作っていただきたいと思いました。」

玄界高校1年 安川和祈さん
「挨拶についてですが、今年の春休みに小学生が立哨している方々に挨拶をしないということが多くて。」

福岡県古賀市 田辺一城 市長
「挨拶もいいね、これは大人からは出てこないですよね。挨拶運動」

時事ユーチューバーも一役若い世代に政治参加を訴え

古賀市での高校生の政治参加に一役買っているのが、時事ユーチューバー、お笑いジャーナリストとして活動するたかまつななさんです。

古賀市は、今年度、約300万円を投入して「高校生未来プロジェクト」事業をたかまつななさんが起業した「笑下村塾」に委託しました。

国と地方自治体に子供や若者の意見を聞くことを義務づけた「こども基本法」が2023年に施行されたことを受けたものです。

委託を受けた「笑下村塾」は、6月、古賀市にある玄界高校で「笑える政治教育ショー」と題した講演会も開催。

たかまつさんは、クイズやゲームを通して若い世代が政治に関わる重要性を訴えました。

笑下村塾 たかまつなな 社長
「自分の思いを社会で実現する方法はいろいろありますけど、一番簡単で力強い方法。これは選挙に行くことじゃないかと思います」

政策実現を”ヒーローインタビュー”でイメージ

古賀市長の「リバースメンター」に就任した4人は、今年11月に市長への政策提言をします。

25日開催されたグループ学習では、若者の声を反映して実現した政策についてたかまつさんが高校生たちに紹介しました。

自分たちが提案した政策が実現することを具体的にイメージするために取り入れた手法は、プロ野球で目にするヒーローインタビューです。

Q「今回どんなことが実現したんですか?」
玄界高校1年 篠崎日向詩さん
「お互いを否定せずに認め合う社会にできました。」

笑下村塾 たかまつなな 社長
「皆さんが一歩ずつ行動するってことは、確実に社会を変えることにもなりますし、後の世代の方たちの負担を減らすってことにつながると思うので、気負い過ぎずにできたらと思っていますのでよろしくお願いします。」

高校生の目線が市をどう変えていく?

古賀市長の「リバースメンター」に就任した4人は、4か月後の政策提言に向け決意を新たにしていました。

玄界高校1年 大塚愛月さん
「地域住民の方々が安心安全で過ごしやすい街づくりをみんなで作っていきたい」

玄界高校1年 篠崎日向さん「みんなが生きやすい社会にするために頑張っていきます。」

福岡県古賀市 田辺一城 市長
「本当にこれで社会が動いたんだと実感できるところまでが、今回の取り組みの重要なポイントだと思っていますので、高校生たちが提案してくれるものを社会実装するという決意で今回取り組んでいますので、楽しみにしています」

高校生の目線がこれからの古賀市をどう変えていくのか?

高校生4人と市長、たかまつさんによって生まれてくる政策とその効果が、子供や若者による「リバースメンター」拡大のきっかけとなる可能性を秘めています。

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