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生ごみ→堆肥→家庭菜園 パリで広がる「コンポスト」 開発したのは福岡の企業 難民の就労支援にも

RKB毎日放送 2024年8月1日 19時19分

連日熱戦が繰り広げられているオリンピックの会場となっているパリの街中には緑の大きな箱があります。

生ごみを入れる「コンポスト」です。フランスでは今年から生ごみの堆肥化が義務付けられました。

そんな中、生ごみの堆肥化に福岡発の製品が一役買っています。

街中に緑の大きな箱

「これが生ゴミをいれるボックスになります」

フランス・パリ。生ごみを回収するコンポストを案内してくれたのは、フランス在住の川波朋子さんです。

フランスは2050年までに二酸化炭素など温室効果ガスの排出量ゼロを目指していて、2024年から生ごみを家庭で堆肥にするか、自治体が設置した専用の回収場所に出すことを義務化しています。

パリ市は街中にコンポストを設置し、回収した生ごみからバイオガスや肥料を作って有効活用することに取り組んでいます。

しかし…

問題解消に福岡発の”あるもの”が一役

フランス在住 川波朋子さん
「認知がまずされていない。アパートの上の階に住む高齢者から『わざわざごみを捨てに階下に下りてごみを持ってここまで来るのが無理』という声はよく聞きます」

そこで川波さんは、福岡発のあるものを広める活動をしています。

灰色のバッグを開けると…中には土と生ごみが。

福岡市の企業が開発したバッグ型のコンポスト、「LFCコンポスト」です。

バッグの中には専用の土が入っていて、生ごみを入れると微生物の働きで分解され、堆肥に生まれ変わります。

元々、生ごみの有効活用に興味があった川波さんは、「エコな取り組み」に前向きなフランスでも広められるのではと、4年前に販売を始めました。

生ごみをその場で・・・ 「すごく便利」

実際にフランスではどのように使われているのでしょうか?

ハミード・ハサンさん「2年前に始めました」

パリ郊外に住むハミード・ハサンさん。

バッグ型のコンポストに毎日出る生ごみを入れて堆肥を作り、その堆肥でトマトやイチゴ、ジャガイモなどを育てる家庭菜園を楽しんでいます。

ハミード・ハサンさん
「これだと台所に置いて、出てきた生ごみをその場で入れられるのですごく便利です。トマトもコンポストのおかげでこんなに大きくなりました。自分で手をかけて作ったものは本当に美味しいです」

広がる”福岡発”のコンポスト 難民の就労支援にも

家庭の中で手軽に堆肥にできるとあって、現在フランスでは、このコンポストを約1000世帯が利用。

義務化を受けて、問い合わせも増えているんだそうです。

また、このバッグ型コンポストは、難民の就労支援施設の利用者が作っていて、雇用の創出にも一役買っています。

川波朋子さん
「行政とユーザーさんがつながったりとか、自分の地域で自分が作った堆肥が使われるエコシステムがつくれるといいと思います」

福岡発のバッグ型コンポスト。

サステナブルな取り組みの推進に力を入れているフランスで、広がりを見せています。

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