今回のパリオリンピック™ではCO2の排出量を大幅に削減する取り組みが行われています。
そんなパリでは、自転車での移動を強く推奨しています。
取材を進めると徹底した施策が見えてきました。
車より多い?パリの自転車
パリ市内を走る多くの自転車。その数は車より多くもみえます。
RKB 下濱美有 記者「きょうはあいにくの雨ですが、皆さんかまわず自転車を走らせています」
パリ市は、二酸化炭素の削減のため、自転車での移動を推奨しています。
市内の至る所に設置されているのは市が運営する貸し自転車。
オリンピックに沸く街中では観戦客に自転車に乗ることを勧めるポスターが目につきます。
パリ市民「自転車はよく乗ります。自転車レーンがあるので快適です」「パリの中で一番早い乗り物です」
今年4月に民間の研究機関「パリ地域研究所」が発表したデータでは、市民の移動手段として自転車が車を上回る結果に。
これほどまでに自転車移動を定着させた背景には驚きの施策がありました。
車道の多くを自転車専用レーンに
RKB 下濱美有 記者「元々車道だった場所の半分が自転車専用のレーンになっています」
まず、パリ市はここ10年で積極的に市内の車道の多くを自転車専用レーンに転換しました。
かつては車が行き交っていた場所も、片方の車線を自転車レーンにすることで一方通行の通りが増えています。
さらに市内全域で車の最高速度を30キロに制限。
駐車スペースも減らし、「車を使うのは不便」という環境を作り出しました。
人気の、貸し自転車
パリ市民「車はあまり役に立たない」
RKB 下濱美有 記者 「パリ市内ずらりと自転車が並んでいます。利用するには携帯にアプリをいれて、チケットを購入します。そして自転車にかざすと、自転車を取り出してパリ市内を走ることができます」
貸し自転車は観光客でも気軽に乗ることができます。
実際に体験してみました。
24時間乗り放題で5ユーロです。自転車用の信号もあります。
RKB 下濱美有 記者「バスチーユ広場に到着しました」「このバスチーユ広場、元々は車のロータリーだったんですけれど半分を自転車のレーンにしました。」
課題はマナー違反
便利な一方で、自転車の利用者によるマナー違反が課題となっています。
自転車レーンが整備されていない交差点では、車の間を自転車がすり抜けるなど危険な様子も確認できました。
またスピードを出したり信号無視をしたりする自転車も多く、自転車の通行量が増えるのに伴い事故のリスクが高まっています。
大胆な政策を実践することであえて「クルマ離れ」を促し、「自転車社会」を浸透させるパリ市。
今後はさらに自転車専用レーンを拡充する方針で、パリは自転車に優しい環境都市として急速に変わりつつあります。