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「寒い」「古本が好きな人は好きな匂いかも」図書館の裏側、歩いてみた

RKB毎日放送 2024年8月14日 17時0分

多くの本が並ぶ図書館。私たちが普段みているのは、ほんの一部にすぎません。

福岡市早良区にある福岡市総合図書館で「バックヤードツアー」が開催されました。オープンスペースより広い、という「図書館の裏側」を歩きました。

人気イベント 参加は抽選で

「ようこそ福岡市総合図書館へ」8月1日、福岡市総合図書館で行われたバックヤードツアー。

10年以上前から行われている人気イベントで、今年は467人が応募して抽選で選ばれた39人が参加しました。

案内してくれたのは、福岡市総合図書館・広報統計専門員の森田幸加子さん。

この図書館にはおよそ130万冊の本のほか、古い映画やニュース映像、古文書など様々な資料が収蔵されています。

まず参加者が訪れたのは、本の修復などを行う整理室です。

破れたり落書きされたりした本をボランティアが一つ一つ手作業で直していく様子を参加者は興味深そうに見守っていました。

福岡市総合図書館 森田幸加子 広報統計専門員「この本じゃないと困る、という本、もう売ってない本もたくさんありますから、自分のものではなくて皆のために買った本だというのをちょっと覚えておいていただけたらなと思います」

図書館で一番寒い部屋は5℃

こちらはフィルム収蔵庫。参加者から思わず「寒い!」と声がもれました。

古い映画や映画館で上映されていた戦時中のニュース映像など3000本以上のフィルムが保管されてます。

フィルムは急激な温度や湿度の変化で傷んでしまうため収蔵庫の室温は5度。

10度の部屋、15度の部屋を経由して、常温に戻してから取り出すことにしています。

進む「本離れ」

バックヤードツアーの目的は少しでも図書館に興味を持ってもらうことです。

福岡市総合図書館の利用者数は2010年度の139万人をピークに、2023年度には117万人にまで減少。その理由の一つに「本離れの進行」が挙げられます。

福岡市総合図書館 松崎ちはる 館長「コロナ下でというのもひとつあるかと思いますが、今やはり、デジタル時代ということで”本離れ”がよく言われているところではあります。ネットでいろいろ調べ物とかも終わってしまうこともひとつの要因としてはあるのかなと考えています。」

古本の匂いを満喫できる部屋

貸し出しの要望が少ない本や貸し出し禁止の貴重な本などを収蔵しているのが閉架書庫。明治時代の本などもあり、普段は職員しか立ち入ることができません。

福岡市総合図書館 森田幸加子 広報統計専門員「古本が好きな人は好きな匂いかもしれないです」

RKB 奥田千里記者「60万冊以上の本がある閉架書庫。本棚が並ぶ空間は奥行きが80メートルもあるそうです。」

広い部屋に背が高い本棚が並び、ぎっしりと本が詰まっている様子に参加者も圧倒されたようです。

紙の本でしか味わえない魅力もある

普段は目にすることがない図書館の裏側を見学するバックヤードツアー。

参加者にとっては、貴重な体験となったようです。

参加者「映像資料が保管してあったすごく寒い部屋が楽しかったね」参加者「本が好きなので娘が。普段見られない図書館の裏側を見せてあげたいなと思って応募しました。4階にもたくさん本が置いてあったりとか、昔の本があるってことを知らなくて面白かったです。」

デジタル化が進んで、電子書籍も普及していますが実際に手に取ってページをめくることで感じることもあります。

福岡市総合図書館 松崎ちはる 館長「紙の本でしか味わえない魅力というのはあると思います。ぜひ図書館にお越しいただいて新たな出会いというのを見つけていただければなと思っています。」

新たな本との出会うため、図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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