非常に強い台風10号、九州北部地方には、30日(金)の明け方から昼頃にかけて、最も接近する見込みです。福岡や佐賀でも備えが進んでいます。
鹿児島県の屋久島周辺をゆっくりとしたスピードで移動している台風10号。
28日夜から29日にかけてさらに勢力を強めて北上する見通しです。
福岡管区気象台気象防災部 藤貴志部長「これまでに経験したことのないような暴風、高波の恐れがあります」
気象台は鹿児島県に台風にともなう暴風・波浪・高潮の特別警報を発表しました。
30日正午までの24時間雨量は、福岡県・佐賀県ともに多いところで300ミリと予想され、28日夜から29日夜にかけては線状降水帯が発生するおそれもあり、厳重な警戒が必要です。
台風が近づく中、2019年と2021年に豪雨で浸水被害を受けた佐賀県大町町(おおまちちょう)では、排水機場のポンプが増設され、28日運転を開始しました。
佐賀県 山口祥義知事「1・4倍の今回ポンプの増強ができたので、住民の皆さん方の命だったり生活を守れるように全力を尽くしたい」
金子壮太記者「福岡県久留米市の小松菜農家です。台風でビニールハウスが飛ばないようにロープで縛って対策しています」
久留米市北野町で小松菜を中心に野菜を栽培する農家の光益政典さん。
ビニールハウスが飛ばされないよう、朝から技能実習生らとともに40棟あるすべてのハウスでロープでビニールを押さえつける作業に追われていました。
小松菜農家 光益政典さん「雨が打ちつけたら育ちが悪くなってしまう。下手をすればこの中が水浸しになってダメになってしまう」
気温が高い日が続いた影響で、野菜の出来があまり良くなかった今年の夏。
ようやく気温が落ち着き始めた矢先の台風に落胆しています。
小松菜農家 光益政典さん「ようやく出来が良くなってき始めてる時にこの台風気持ち的になんでかなぁって言う感じ」
福岡県朝倉市の観光農園では、リンゴを収穫する作業が行われていました。
通常の収穫より1、2週間早く、味は少し落ちてしまいますが、背に腹は代えられません。
林檎と葡萄の樹 櫻木啓二さん「揺れる時間が長いとより落ちるので。早く通過してもらいたいなという」
担当職員「台風の影響でまつりみなみが翌日の9月1日の日曜日に延期することが決定致しまして」
北九州市小倉南区で恒例の夏祭り・「まつりみなみ」。
今月31日に開催する予定でしたが、台風の接近で、打ち上げ花火やステージの設営などの準備が間に合わないため、翌日への延期を決めました。
今年は小倉南区が発足して50年という節目の年。
何とか開催したいところですが、台風の動きが遅いため影響が長期化した場合は、中止を余儀なくされるとあって、スタッフは気をもんでいます。
小倉南区役所コミュニティ支援課 増田真二地域交流担当課長「これ以上台風が遅れると延期したとしても開催できるかどうかということになってしまいますので非常に心配しているところです」
下濱美有記者「午前10時半前です。福岡も雨が降ってきました。博多の名物屋台も駐車場に停められていますがロープでくくり、台風に備えます」
喜柳 迎敬之店長「風強いっていいようけんね、倒れたら終わりやけんね」「(ロープは)今買ってきたんよ」
一方、福岡市の街中では、屋台の店主が対策に追われていました。
これまでの台風では3つの屋台を隙間なく停めることで風への対策をしていましたが、今回は警戒レベルをあげてさらにロープで縛ることにしました。
28日は定休日ですが、すでに29日・30日も予約のキャンセルが出ているため、営業するかどうかは安全を最優先に検討することにしています。
喜柳 迎敬之店長「8月最後の週末で稼ぎ時やのにねちょっと痛いね」「今回は(台風)いつ来るのって、ノロノロやしさ、方向もあいまいやしさ、うーんと思うね」