子育てしながら働く親を「子持ち様」と呼び、育休などによる周囲へのしわ寄せを訴えるSNS投稿が話題になっています。
こうした中、業務をカバーする従業員への支援を打ち出す企業も出てきました。
九州電力は、育児休業を取得した人の職場の同僚に、手当を支給することを決めました。
大手電力会社では初の試みだということです。
「育児サポート応援金」を創設
九州電力と九州電力送配電は9月1日、育休取得者が所属する職場の従業員に、育休取得者の業務をカバーする手当として、「育児サポート応援金」を創設しました。
出産・育児を職場全体で支え合う風土を醸成しようというもので、手当は、1か月以上の育休取得者が所属する職場の従業員が対象です。1人あたり8千円~1万4千円を支給します。
10人の職場なら全体で12万円
従業員が少ない職場ほど同僚への負担が大きくなると想定し、職場の人数に応じて1人あたり8千円~1万4千円を支給。
個人の口座に振り込まれます。
例えば、10人の職場の場合職場全体への支給総額は12万円になるということです。
育休推進の結果、達成率は100%に
九州電力と九州電力送配電では、仕事と育児の両立を支援するため法定期間を上回る育児休職の期間設定や育休中の一部有給化などの支援制度を導入してきました。
その効果もあり2023年度には両社合わせて女性65人、男性291人と、育休の取得率は100%を達成しました。
育休の取得日数の平均は女性が545日、男性が30日でした。
業務をカバーする同僚の負担も増加
一方、取得者が増えるにつれ業務をカバーする同僚の負担が増えていて、育児取得者からも休職中の同僚への負担を不安視する声が聞かれるようになっていました。
九州電力は、新たな制度を導入することで、支える側の理解も促進したい考えで、「出産や育児を皆で喜び受け入れ支えていく風土を醸成していきたい」と話しています。