北九州市で見つかった旧門司駅の遺構の保存について、ユネスコの諮問機関であるイコモス本部は4日、「ヘリテージアラート」を発出しました。
旧門司駅の遺構をめぐっては先月から追加の発掘調査が進んでいて、北九州市は遺構の記録保存をしたうえで、複合公共施設を建設するため取り壊す予定です。
こうした動きについてイコモス本部は、「北九州市は複合公共施設の建設計画を進め、遺跡の保存を怠っている」などと指摘。
「文化遺産を、北九州市が軽視していることを深く遺憾に思う」と述べ、文化庁や福岡県に対しても、旧門司駅遺構の価値について専門的な指導や助言を行うよう求めています。
「ヘリテージアラート」は、文化遺産が危機に瀕した際に、国内外に広く知らせるために出されますが、法的拘束力はありません。
国内で出されたのは、高輪築堤や明治神宮外苑などに続き4例目です。
北九州市の武内市長は「公共施設の老朽化は待ったなしの状況」などとコメントし、事業を計画通り進める考えを示しています。