Infoseek 楽天

「速く走りたい」 1歳で右足切断 パラ出場めざす小学生(9) スポーツ用の義足”ブレード”との出会いが開いた夢への扉

RKB毎日放送 2024年9月19日 18時2分

パラリンピック出場を目指す小学生(9)がいます。

スポーツの楽しさを知ったのは、「ブレード」と呼ばれるスポーツ用の義足と出会った4歳の時。

そして今、より速く走るために、バランスを取るのが難しい新しい義足をつけて練習に励んでいます。

運動が大好きな小学3年生

福岡県筑紫野市に住む小学3年生城拓海くん(9)。

右足のひざから下の部分に義足を付けて生活しています。

城拓海くん(9)「今から体育館でドッジボールします」

普段は、かかとやつま先などが再現された義足を付けていますが、運動する時は「ブレード」と呼ばれるスポーツ用の義足に付け替えます。

体を動かすのが大好きな拓海くん。

得意のドッジボールでは誰よりも動き回り活躍していました。クラスメイトに普段の拓海くんについて聞いてみるとー

「クラスの盛り上げ係」「いっつも元気!」「真剣だけどめっちゃおもしろい」

生まれてすぐ「先天性脛骨欠損症」と診断

生後すぐに、すねの骨がない「先天性脛骨欠損症」と診断された拓海くん。

右足を残すと、何度も手術が必要になり、強い痛みが出ることもあるため、1歳1か月の時に両親が切断することを決めました。

拓海くんの母 城憲子さん(41)「本当にいいのかなって何度も悩みましたし、でも結局将来のことを考えて義足での生活のほうが本人にとっていいことが多いのかなっていうことで切断を決めました」

切断して半年ひとりで歩けるように

両親が心配する中、拓海くんは懸命にリハビリを続け、わずか5月後で1人で立てるように。

その1か月後には、自分の力で歩けるようになりました。

拓海くんの母 城憲子さん(41)「最初は私と夫の間を本当に3、4歩初めて歩いて『うわー』ってやっぱり感動じゃないですけど嬉しかったです」

スポーツ用義足との出会い

拓海くんが初めてスポーツ用の義足に出会ったのは4歳の時。

義足を付けた人たちが集まるスポーツイベントに参加した時でした。

バランスを取るのが難しいスポーツ用の義足ですが、拓海くんはすぐに歩き出し、ジャンプすることができたといいます。

それ以来、色々なスポーツを楽しむようになった拓海くん。

今では2か月に一度開かれるこのイベントを心待ちにしているそうです。

拓海くんの父 城義仁さん(40)「もう『次はいつ?次はいつ』って言って楽しみにしていますね。うれしいですよ、やっぱり。たぶん彼の中では安心できる空間っていうか、仲間もいる」

夢は、パラリンピック出場

運動するのが大好き、という拓海くんの目下の目標は。

城拓海くん(9)「運動会のかけっこで一番になることです」

そして、「将来はパラリンピックに出場する」という大きな夢を抱いています。

パラメダリスト山本篤さんを目標に

目標にしているのは、義足の陸上選手として日本で初めてパラリンピックのメダルを獲得した山本篤さん。

去年10月には大分で開催されたイベントで直接話す機会があり、パラリンピックへの思いをさらに強くしました。

「膝継手」がはいった義足に挑戦

より速く走るために拓海くんが挑戦しているのが、「膝継手」というパーツが入った義足です。

拓海くんの父 城義仁さん(40)「着脱はそんなことないと思いますけど、歩くのはかなり難しいと思います」

「膝継手」はひざの役割を担うもので、拓海くんが普段使っている義足よりさらにバランスを取るのが難しくなります。

拓海くんの母 城憲子さん(41)「今度10月に山本篤さんがいらっしゃるのでその時には膝ありで走っているところを見せられたらいいなって思います」

「100メートル走で金メダルを」

城拓海くん(9)「膝継手でどうやって速く走れたりするか聞きたい。パラリンピックに出るとしたら100メートル走に出たいです」

「パラリンピックに出場し金メダルを獲得する」大きな夢に向かって走り続けます。

この記事の関連ニュース