クリスマスなどの年末商戦に向け、最新のおもちゃや雑貨を紹介する商談会が福岡市で開かれました。少子化が進む一方で、おもちゃの市場規模は年々拡大していて、昨年度は初めて1兆円を超えました。
キーワードは「キダルト」です。9月20日、福岡市博多区で開かれた「おもちゃの大商談会」
玩具の総合商社カワダが毎年実施しているもので、今年は国内の玩具メーカー67社が出展し、約1万点のおもちゃが並びました。
RKB 竹井りさ リポーター「ふわふわもちもちとした手触り。まるで雪のようです。『スノー@ホーム』という商品で、ゴムの粒子でできているんです。丸めて遊ぶこともでき、上にのせると雪だるまが完成します」
あおぞら 布勢麻人さん「暑くてなかなか外遊びができない。また、衛生面で砂場に不安があると。1年中、家で雪遊び、砂遊びができるものをと作りました」
RKB 竹井りさ リポーター「子供が間違えて食べてしまいそうな気がしますが?」
あおぞら 布勢麻人さん「この商品は輸入食品検査をパスしていますので、有害な物質は入っていません。安心して遊べます」
日本玩具協会によりますと、昨年度の国内玩具市場規模は1兆193億1900万円(前年度比107.1%)で、初めて1兆円を超えました。少子化が進む中でも市場規模は4年連続で拡大しています。
カワダ福岡支店 松本智子係長「『キダルト』という言葉がキーワードになっています。子供の心を持った大人たちが急増していて、子供の頃に遊んだおもちゃ、もしくは遊べなかったおもちゃを、大人になって購入して楽しむという傾向が今年はすごく出ているんです」
「キダルト」とはキッズとアダルトをかけた造語で、子供心を持った大人のことです。
購買力のあるキダルトにはメーカー各社も注目していて、大人も買いたくなるような商品の開発に力を入れています。
RKB 竹井りさ リポーター「こちらのリカちゃん人形はフランフランとコラボレーションしているんです。リカちゃんがつけているエプロンや食器は実際にフランフランの店頭で売られているものなんです」
タカラトミー 澤公司さん「キダルトという需要が世界的にも高まっていて、特に『フォトジェニックリカ』は完全に大人の女性向けです。一番の違いが自由なポージングができること。SNSの流行とかもあって、食事や旅行にも一緒にリカちゃんと行って、思い出を作ってもらう」
子供の頃に遊んだおもちゃは親しみや懐かしさを感じる人も多いため、定番商品のリニューアルも目立ちます。
玩具市場が拡大しているもう一つの要因が「インバウンド需要」です。
カワダ福岡支店 松本智子係長「日本はアニメ大国・キャラクター大国と言われているので、数多くのキャラクター玩具が出ているんです。幅広いキャラクターが海外で人気になっていて、こういった商品はコンパクトなので、お土産需要としても大変人気が出ていて注目されています」
また、こちらは100種類の職業体験ができる「イーピコ」です。「体感型」のおもちゃも今年のトレンドになっています。
そして、毎年人気が高いのは「のりもの玩具」です。「見ると幸せになる」と言われている新幹線・ドクターイエロー。今年6月に老朽化による引退が発表されると、メーカーには問い合わせが殺到したということです。
増田屋コーポレーション 小森利一さん「ドクターイエローの引退が発表されて、商品も販売が急上昇し、一時期品切れすることにもなりました。JR東海の監修を受けて、窓の形とかきちんと正しく作って発売します」
クリスマスまであと3か月。年間売り上げの4分の1を占める年末商戦に向け、バイヤーたちも熱い視線を送っていました。
国内の玩具市場が昨年度、過去最高を更新し、初めて1兆円を超えた要因は、ポケモンカードゲームに代表される「カードゲーム・トレーディングカード」やプラモデルやフィギュアなどの「ホビー」が売上げを伸ばしたことが大きいようです。
いずれも、キダルトやインバウンドに人気の高い商品分野なのが特徴です。