競泳日本代表の鈴木聡美選手(33歳)は、日本の競泳史上最年長。一時は、競技を続けるか悩むほどの苦難の時を超え、パリ五輪の200m平泳ぎで4位に入賞するなど活躍。年齢を重ねるにつれて進化した泳ぎをみせています。
「大健闘だった」レース自分に拍手
鈴木聡美選手は9月20日、地元の福岡県遠賀町役場を表敬訪問し、職員から拍手で迎えられました。
古野修町長から花束を受け取って、「地元の応援が力になった」と笑顔で話しました。
鈴木聡美選手「パブリックビューイングで応援していただいている姿も、ネットを通じて一瞬見ることができて、心強さとか地元の安心感をパリで味わっていました」
「前人未踏だ」五輪メダル4個の松田丈志さん感服
日本の競泳史上最年長の33歳で、さらに進化した泳ぎをみせる鈴木選手。今回のパリオリンピックについてうかがいました。
鈴木聡美選手「非常に楽しめた。久々に気持ちがいい200メートルを泳げたな、と思いましたね。もしかしたら、『また日本記録を狙えるんじゃないか』という領域まで調子も戻すことができましたし、選考会の時よりも記録を上げることができましたので、これは大健闘だと。レースが終わったあと自分に拍手を送った」
RKB 本田奈也花「RKBテレビの番組『タダイマ!』のコメンテーター・松田丈志さんが『自分も33歳の時に現役引退していたから、前人未踏』だと驚いていました」
鈴木聡美選手「前人未踏だと言われているかもしれないですけど、それこそ(ここまでしかできないという)固定概念を外すというのも、今後必要なのかな。もし、自分が(現役を)まだやりたいとか、(今後に)可能性を感じられるのであれば…。あとは周りが許してくれるとかいろいろ(環境が)あると思うんですけど、可能性があるならば挑戦するのもいいんじゃないかな」
両親が抱く鈴木選手への「不満」とは
パリオリンピック競泳日本代表・鈴木聡美選手。『タダイマ!』では、現地フランスに応援にかけつけた鈴木選手の家族を取材してきました。実は、そこで家族から鈴木選手へ思わぬ不満が出ていたんです。
RKB 本田奈也花「ご両親から、こういった言葉をいただいていますので(映像を)見ていただいてもいいですか?」
鈴木聡美選手「なんだろうな?恥ずかしい。両親も恥ずかしがるだろうな」
父の鈴木良二さん「(パリで現役続行すると発言した映像を見て)こんなことを言っているぞと私たちは知らない。親は後から(現役続行の意思を)聞くというのがずっと続いているパターンです。また同じことが起きた、という感じです」
鈴木聡美選手「多分続けるのが当たり前だからと自分で思っていたので、そんなに(親に対して)言うことでもないかって。『現役続行します!』って決意表明せんでもいいかなって」
RKB 本田奈也花「ちょっとしてほしそうでした」
鈴木聡美選手「そうですよね、今の映像をみると。ただ今思い返してみれば、ずっと(伝えることを)忘れてると思いました」
RKB 本田奈也花「忘れていただけ…」
鈴木聡美選手「ずっーと忘れているだけでした(笑)」
RKB 本田奈也花「これからは?」
鈴木聡美選手「ちょっと連絡したいと思います(笑)」
「自分の限界を見つけるのも一つの競技人生かな」
現役続行を公表した鈴木選手。今後の練習再開について聞いてみると…。
鈴木聡美選手「このあと家族と時間を作って、25日から練習再開予定です」
RKB 本田奈也花「もうすぐじゃないですか」
鈴木聡美選手「1週間ちょっと休めたら十分です。まだ現役続けるとなると、泳ぎの感覚はすぐに変わってしまう。体の可動域がなくなったりとか、水をつかむ感じが変わったりだとか」
RKB 本田奈也花「どのくらい練習するのですか?」
鈴木聡美選手「1日で平均、朝5000メートル、午後も5000~6000メートルとか。トータル1万メートルは必ず超えるかな、ぐらいの練習量」
RKB 本田奈也花「ということは、次のオリンピックも?」
鈴木聡美選手「もしかしたら狙えるかもしれないですし、その時にならないと分からないのでそこに至るまでの一個一個を大事にしていこうかと思います」
鈴木選手は「年内も、いくつかの大会に出場する予定。この3か月くらいで体作りをしていかないといけないので、とにかく練習あるのみ」。「何歳まで競泳をやりたい?」の問いには、「それが分からない。自分の限界を見つけるのも一つの競技人生なのかな、と思います」と、笑顔で答えました。