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”黄色いミカンは商品にならない”猛暑で日焼け 皮むいたらスカスカ 収穫量は4割に「食べてもらえないのがつらい」

RKB毎日放送 2024年10月3日 16時16分

今年の記録的な猛暑は、ミカンの生育にも影響を与えています。今収穫を迎えている「極早生」は日焼けして出荷できず、収穫量は例年の4割~5割ほどになってしまいました。

収穫時期の「極早生」本来は黄緑色

福岡県八女市立花地区のミカン畑。いま収穫時期を迎えている「極早生」のミカンの皮は、本来、熟しても黄緑色です。

しかし、一直線に並んだミカンの木を見ると、右側の列は緑色ですが、左側の列は実が黄色くなっています。

JAふくおか八女・かんきつ部会 中島光秀 部会長「黄色くなってますけど、熟しているわけじゃない、日焼けです。熟しとるのは日焼けをしてない反対側。こっち側です。実際熟しとるミカンがこんな感じ。でこれも熟してるように見えますが、これはもう日焼け」

1本の木を見ても日光が当たる南側だけ日焼けしています。ひどいものは茶色く焦げたようになったものもありました。黄色く変色したミカンは商品にはならないといいます。

JAふくおか八女・かんきつ部会 中島光秀 部会長「皮をむいてもらったらわかりますけど、スカスカになっとるとですよ。この日焼けの所をむくでしょう?ここがもうスカスカ。こっち側日焼けしていない部分はふつう。こっち側は食べてもおいしいけれど、こういうのは消費者には届けられない」

日照時間 例年の1.5倍に

この地域の9月1か月間の降水量は、例年より1割ほど少ない163ミリ(八女市黒木)。また、日照時間は242.7時間で、例年の1.5倍にものぼりました。

さらに、ミカンの生育に影響を与えたのが、8月末に九州に上陸した台風10号です。

「裂果」してしまったミカン

JAふくおか八女・かんきつ部会 中島光秀 部会長「今年の場合は雨が全然降らない状態で、ミカンも皮が薄くなる。そこに台風が来たじゃないですか。地面が乾燥しきってる状態のところにある程度の雨が降ると、皮が薄くなっているミカンはそれでも実を太らそうと思って弾けてしまうんですよ」

日照りによる「日焼け」に台風による「裂果」で、中島さんのミカン畑では、今年の収穫量が例年と比べて4割から5割減っているということです。

息子の康裕さんは、こう嘆きます。

中島康裕さん「ここ2~3年はきついですね。この日焼けが多い分が、減収。量がとれないってなるとその分食べてもらえない。というのが一番大きいですかね。待ってくれてる人がいるのにその人たちに届けられない」

「ほんとに甘い」少雨で味は悪くない

ただ、ミカンの味は悪くないといいます。

RKB 堺恭佑記者「いただきます。うん、甘い。みずみずしいですね。おいしい」

中島康裕さん「雨が少なかったから糖度の高いミカンができたっていうこともあります。そこはよかったところですが、日焼け、裂果が量を減らす要因にもなっています」

JAふくおか八女によりますと極早生ミカンは、例年より4割ほど収穫量が減る見込みだということです。

10月に入りようやく秋らしくなりましたが、今年の記録的な暑さはこれから旬を迎える味覚にも影響を与えています。

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