去年、福岡県久留米市で、小学校教員の妻(当時35)を殺害したなどとされる男(42)の裁判員裁判で、検察側は9日、男に懲役18年を求刑しました。
夫は「殺していません」死体遺棄罪は認める
起訴状などによりますと、久留米市の無職・渡辺司被告(42)は去年9月、自宅マンションで小学校教員の妻・彩さん(当時35)の首を圧迫して殺害したうえ、遺体をおよそ1か月間放置していたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われています。
これまでの裁判で渡辺被告は殺人罪について起訴内容を否認しています。
9日の裁判では、彩さんの親族による意見陳述が行われ、彩さんの弟は、「許すことはできない。二度と刑務所から出てほしくない」などと述べました。
検察側は殺害の動機についてマンション購入に伴う金銭トラブルなどを挙げ、「人命を顧みない無慈悲な意思決定は極めて強い非難に値する」と述べ、渡辺被告に懲役18年を求刑しました。
一方弁護側は、「彩さんは自殺した」として殺人罪については無罪を主張。死体遺棄罪については「同様の事件の中では犯情が重いとは言えない」などとして、執行猶予付きの判決を求め、裁判は結審しました。
判決は10月21日に言い渡される予定です。