15日に公示される衆議院選挙。
宗像市や粕屋郡などを選挙区とする福岡4区は保守分裂で6人が立候補する混戦となる見通しで、自民党派閥の「裏金問題」が争点の1つとなっています。
自民・前職「今度はけっこうシビア」
自民党前職・宮内秀樹氏(61)
「新しい半導体人材を作っていく、そういうまさにチャレンジングな新しいことに挑戦する。こういう試みを政府が主導してやっていく」
半導体産業への支援など、経済成長の必要性を訴える自民党・前職の宮内秀樹氏。
過去4回の選挙を大差で勝利してきましたが、今回は「裏金問題」による逆風を受けています。宮内氏は所属していた二階派から受けたパーティー券のキックバック収入、161万円を政治資金収支報告書に記載していませんでした。
自民党前職・宮内秀樹氏(61)
「今度はけっこうシビアなのでよろしくお願いします」
地域の有権者からも批判する声が挙がっていると話していて、今回の選挙では「誠実に臨む姿勢」が重要だと考えています。
自民党前職・宮内秀樹氏(61)
「ルール違反したことっていうのはやっぱり容認できないことなので、ここは反省しますということで。誠実に謙虚にこの選挙に臨むっていう姿勢がやっぱり大切だと思うんです」
自民党所属の県議も立候補表明
さらに今回は県議会議長も務めた自民党所属の吉松源昭県議が立候補を表明し、「保守分裂」となる見通しです。
2人の対立が深まったのは2012年の衆院選。
この時、いずれも自民党の公認候補に名乗りをあげましたが、選ばれたのは宮内氏でした。
今回の選挙でも最終的に宮内氏が公認を得たことに対し、吉松氏は、「政治不信の払拭に反する」と話しています。
無・新 吉松源昭氏(56)
「政治不信を払拭しようと自民党が努力している中で汚点を残したと思っています」
「政治で一番大切なのは何か」元衆院議員が新人支援
無所属での出馬を余儀なくされた吉松氏ですが、福岡4区を地盤とし、2人が秘書として師事した渡辺具能・元衆院議員が支援に回っています。
応援演説の中で渡辺氏は「裏金問題」の渦中にいる宮内氏を批判しました。
渡辺具能・元衆院議員(83)
「政治で一番大切なのは何か。それは政治はやっぱり人格ですよ、政治家の。政治家が信用できるかどうかです」
無・新 吉松源昭氏(56)
「まだ2歩ほど後方を私は走っていると思っています。しかし(投開票の)27日までの間に十分追いついて、そして追いつけば間違いなく追い抜けるという自信を持っています」
日本維新の会の前職も”裏金”批判
同じく「裏金問題」をめぐる自民党の対応を厳しく批判するのは、日本維新の会の前職、阿部弘樹氏です。
日本維新の会・前職 阿部弘樹氏(62)
「みなさん犯罪なんですよ裏金、脱税は。私は訴えたい。この福岡4区にも裏金議員がのうのうと公認をされている。こういうのを許しちゃいけない」
10月11日には馬場伸幸代表が応援に駆けつけ、阿部氏への支援を求めました。
前回の衆院選は3位の得票ながら全国的な維新の風を受けて比例復活を果たした阿部氏。
今回は維新が推薦した兵庫県知事の問題などが逆風となり、厳しい戦いになると感じています。
日本維新の会・前職 阿部弘樹氏(62)
「いつも厳しいですよ(県議選などを含めて)僕は8回目の選挙だけど(今回は)厳しい。身を切る改革で改革をするんだと。私は改革のダイナマイトと言っているんですよ。みなさん方の怒りの火、炎を導火線に火をつけてほしい」
国民民主・新人「古い政治、一掃したい」
国民民主党・新人の許斐亮太郎氏は、NHKの元カメラマンで半年前から政治活動をスタートさせました。
国民民主党・新人 許斐亮太郎氏(50)
「福岡4区にはびこる古い政治。それを一掃していきたいと思います」
知名度アップのため、自ら撮影した動画を編集し、毎日、SNSに投稿しています。
国民民主党・新人 許斐亮太郎氏(50)
「他のみなさんはけっこう地盤とかあるので、そこをどうやって追いついて行くのかっていう時に、SNSでコツコツコツコツ毎日毎日少しずつ出していって頑張ってきた」
許斐氏は、政治経験の少なさを強みに変えたいと話します。
国民民主党・新人 許斐亮太郎氏(50)
「今までまったく政治経験がなくて、政治資金も使ったことがない。逆にクリーンな政治ができると思ってますのでそういうことをアピールしていきたいなと思っています」
社民党・参政党も候補者擁立
福岡4区には他にも社民党の新人で元築上町議の宗晶子氏(53)、参政党の新人で元国税局職員の行平佳弘氏(38)が立候補を表明しています。
福岡県・小選挙区の候補者 過去最多の見通し
15日公示される衆議院選挙。
福岡県の小選挙区には、過去最多の50人余りが立候補する見通しで、各区で激しい選挙選が予想されています。