天守閣を実際に復元しようという議論が地元の財界を中心に活発化しています。そもそも福岡城に天守閣はあったのか、そして再建する必要はあるのか意見が分かれています。
福岡商工会議所は9日、中小企業への支援や歴史・文化を活かしたまちづくりの推進など、市政への要望をまとめた提言書を、高島市長に手渡しました。
福岡商工会議所 川原正孝 副会頭「福岡城天守復元は市民の関心が高まっておりまして、天守をつくればシンボルにもなりますし、市民の心の拠り所にもなります」
福岡城の天守閣をめぐっては、存在していたことを直接的に示す史料は見つかっていません。そのため、研究者の間でも意見が分かれています。
福岡商工会議所は天守閣の復元に向け、今年3月から有識者などを集めた懇談会を開催。
福岡市も今年4月、福岡城の観光PRのため、およそ6250万円かけて、天守台の上にパイプを組み立てて作ったイルミネーション「幻の天守閣」のライトアップを行いました。
福岡商工会議所が市民およそ2000人に実施したアンケートによりますと、
復元について「賛成」「どちらかというと賛成」と回答した人が59.1%、
「反対」「どちらかというと反対」と答えた人が14.4%でした。
一方、「分からない」と答えた人は26.5%で、4分の1以上にのぼりました。
復元する場合の天守閣の姿については賛成した人の76%が、「過去に存在したものにできるだけ忠実なもの」を求めています。一方、反対した人のおよそ30%が「建築や維持に費用がかかる」ことを理由に反対しています。
福岡市 高島宗一郎 市長「天守閣の話でいくと、実際の調査を文化庁と協議しているところですし、できることはすぐに対応していきたい。」
福岡城に天守閣は実在したのか。福岡市は天守台とその周辺で学術的な発掘調査を行うため、文化庁と協議を行っているということです。