今回の選挙戦の最大の争点は「政治とカネ」になりました。
しかし、裏金問題の当事者でも当選した人、落選した人、明暗が別れています。
その違いは何だったのか。福岡4区と11区の選挙戦を振り返ります。
福岡11区 落選した元総務大臣
武田良太氏10月27日「担当者の記載漏れということで裏金というレッテルをはられたことはつらい」
8回目の当選を目指したものの落選した自民党の武田良太氏。
派閥から受けた寄付金1926万円を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、1年間の党の役職停止処分を受けていました。
衆議院の政治倫理審査会に出席したことで「説明した」と語り、地元で記者会見を開くなどして詳細に説明することはありませんでした。
選挙戦の序盤では・・・
武田良太氏10月20日「今回自民党から発した事案により、国民の政治不信を招くに至りましたことを本当に心から申し訳なく思っております」
接戦が伝えられて以降、演説で「政治とカネ」の問題は触れられなくなる一方で、逆風は感じると話していました。
武田良太氏10月23日「戦えば戦うほど猛烈な逆風を感じる選挙であります。何と戦っているのか分からない重い空気が漂う」
RKBの取材を拒否
武田氏の陣営は、きのう「不記載」と報じたことを理由にRKBに対してだけ選挙事務所での取材を認めませんでした。
RKB 浅上旺太郎記者「入りたいんですけどね」
武田陣営のスタッフ「撮影はダメ」
対抗馬は「お金かけない政治」訴え当選
維新・新 村上智信氏(55)「お金をかけない政治。クリーンな政治を実現することをお約束します」
選挙期間中に「クリーンな政治の実現」を訴え続け当選した日本維新の会・新人の村上智信氏。
一夜明けて…
当選した村上智信氏「感謝の気持ちと、重い重い仕事をこれからやっていかないといけないという覚悟、そういうことを今考えています」
有権者「自分のせいじゃないみたいな言い方」
福岡11区の有権者は選挙結果について…
有権者「予想通りかなと思った」「やっぱり裏金じゃないですか」
みやこ町民「(武田氏は)自分のせいじゃないみたいな言い方してるので、そこらへんがどうなのかなと。今回お灸を据えられたと思ってもらえれば」
福岡4区 発覚後謝罪会見した自民候補は当選
一方、武田氏と同じ旧二階派に所属していた宮内秀樹氏は、不記載が発覚してから地元で会見を開き謝罪していました。
当選した宮内秀樹氏 1月の会見「政治に対する大変な不信感を与えることとなってしまいました。深く反省をいたしております」
選挙戦でも序盤から終盤まで裏金問題への釈明は続けていました。
宮内秀樹氏「反省することはしっかり反省をし、その上で誠実に真摯に政治に向き合って、具体的な政策をこれから作っていきたい」
「政治とカネ」の問題で注目された福岡4区と11区では、選挙戦の構図が違っていたこともありますが、明暗が分かれる結果となりました。
その要因の一つは有権者に説明する姿勢の差にあったと言えそうです。