今年3月、山口県下関市沖で韓国船籍のタンカーが転覆し乗組員10人が死亡した事件で、門司海上保安部は1日、韓国籍で当時の船長の男(当時65)を容疑者死亡のまま業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
この事件は今年3月20日、下関市の六連島沖に停泊していた韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN(キョヨン・サン)」が転覆し、乗組員11人のうち、船長を含む10人(韓国籍2人、インドネシア籍7人、中国籍1人)が死亡したものです。
門司海上保安部によりますと、当時、タンカーは、航行中の海域の波が高く、荒れていたため、船が流れないよう下関市沖で錨をおろして待機していました。
その後の捜査で船には当時の乗組員全員が避難できる救命艇が1艇搭載されていましたが、使用された形跡はなかったということです。
門司海上保安部は1日、この船長の男(当時65)を船が転覆する恐れがあるなか、救命艇を使用するなどして乗組員を避難させることなく船内にとどまらせ、その後転覆したことにより乗組員10人を死亡させた業務上過失致死の疑いで容疑者死亡のまま書類送検しました。