福岡ソフトバンクホークスは5日、和田毅投手が今季限りで現役を引退すると発表した。
引退会見は、5日午後5時から行われる。
「松坂世代」最後の1人
2002年のドラフトで当時のダイエーに入団した和田は、ルーキーイヤーから先発ローテーション入りを果たすと、同年14勝をマークし、新人王に輝いた。
新人から5年連続で2桁勝利を挙げるなど、杉内俊哉とともに、ホークス左のエースとして、チームを牽引。
2010年には17勝で最多勝、さらにはベストナイン、MVPを受賞すると、続く2011年のオフに海外FA権を行使し、メジャーリーグに挑戦した。
メジャーでは、オリオールズとカブスでプレーするも、相次ぐ故障などもあり、4年間で5勝にとどまり、2015年のオフに自由契約となった。
2016年、ホークスに復帰すると、いきなり15勝をマークして、最多勝と自身初となる最高勝率のタイトルを獲得。
しかし、2年後の2018年に左肩の痛みを訴え、この年は1軍での登板がゼロ。
オフには、推定年俸4億円から3億円ダウンの、推定1億円で契約を更改した。
それでも2019年、交流戦で復帰登板を遂げると、同年はクライマックスシリーズ、日本シリーズでも先発。
日本シリーズは第4戦の先発で5回無失点と好投し、2003年以来16年ぶりに日本シリーズで勝利投手となった。
同世代の選手たちが次々と引退していく中、衰え知らずの豊富な練習量で先発としてマウンドに立ち続けた。
2020年は、リーグ優勝決定試合で勝利投手、2022年にはNPB通算150勝に到達した。
プロ22年目、43歳で迎えた今シーズンは、小久保監督から本拠地開幕戦の先発を託されていたものの、左手のまめの影響で白紙となった。
シーズン初登板は5月6日の日本ハム戦。
5回4失点で勝利投手となり、自らが持つ球団の勝利投手最年長記録を更新したほか、9月にはプロ入り後初めてのホールドもマーク。
今季は8試合に登板して、2勝2敗3ホールド、防御率3.76の成績を残し、球団はレジェンド左腕に対し、来季も契約を結ぶ方向だった。
和田と言えば他球団の選手たちからも慕われ、毎年オフの自主トレは「和田塾」として多くの若手が参加し、今年1月は過去最多の16人が弟子入りしていた。
引退会見は5日午後5時から。
「松坂世代」最後の1人として歩みを続けたベテラン。
ホークス球団、そして球界を代表するレジェンドが、惜しまれながらユニフォームを脱ぐ決断をした。