紅葉の名所として知られる佐賀県神埼市の「九年庵(くねんあん)」。15日の一般公開を前に12日、報道陣向けの内覧会が開かれました。
11月になっても平年より気温が高い日が続いていて、木々の色づきは遅くなっているようです。
「九年庵」に新たな広場
RKB 西尾健佑記者「九年庵では仮設階段を上ったさきの広場が新たに公開され、一面にはモミジが広がり、今後真っ赤に色づくということです」
国の名勝にも指定されている佐賀県神埼市の「九年庵」。
今年は庭園を上から眺めることができる山林部の広場が新たに公開されました。
見学できる範囲ではこれまでのおよそ3倍となります。
佐賀県政策部 宮崎由希 係長「たくさんのモミジが広がっていまして、そこから建物を上から眺めることができるスポットになっています。建物の瓦や葦葺(よしぶき)屋根とモミジのコントラストの美しさが見所になっています」
一方で木々の色づきを見てみるとー
RKB 西尾健佑記者「日当たりがよいところでは、モミジが赤く色づきはじめていますが、日陰を見てみるとまだまだ緑が目立ちます」
年々遅くなる紅葉
こちらの映像はRKBが30年あまり撮影してきた九年庵の公開日の映像です。
年によって違いはありますが、年々、色づきが遅くなっていることが分かります。
佐賀県によると、九年庵のモミジの色づきは現在3割程度だといいます。
佐賀県政策部 宮崎由希 係長「色づきはじめが遅かったので、少し遅れているかと思うんですけど紅葉自体は始まっています。一般公開が始まってから紅葉はどんどん進んでいくかと思います。紅葉の色づき具合の違いを感じていただけるかなと思います」
福岡市の油山では
福岡の紅葉の名所でも色づきが遅れています。
訪れた人は「2年ぐらい前にここの紅葉がすごく綺麗だったのでそろそろかなと思って今年は何か色が浅い感じがしますけども」
例年ならこの時期におよそ1000本の木々が色づく油山。
葉の変色や縮れも
今年はまだ3割程度の色づきで、変色したり縮れたりした葉も多く確認できます。
訪れた人は「葉っぱが縮れとう。俺みたいなもんよ、もう縮れとる」「縮れていますね今年は。またそれはそれでいいんでしょうね」
油山自然観察センター 井上陽子さん「年によってまた違いがあるのではっきりとは言えないのですが今年は(縮れが)ちょっと目立つ。原因はまだわかっていません」
夏の猛暑の影響か
福岡市植物園によりますと葉の縮れについては「今年の夏の暑さで根から吸い上げる水分量と葉から蒸散して出ていく水分量のバランスが崩れたことが原因として考えられる」ということです。
紅葉が綺麗に色づくためには「昼と夜の寒暖差」や「夜の冷え込み」などが必要です。
ただ、最低気温はしばらく平年より高い日が続く見込みで見頃を迎えるまでもう少し時間がかかりそうです。