去年6月、福岡県水巻町で、殺意は無かったものの知人と共謀して知人の姉を殺害し通帳や印鑑を奪ったなどとされる48歳の女の裁判員裁判です。
15日遺体を解剖した医師の証人尋問が行われました。
起訴状などによりますと小倉北区の無職・岡村恵美被告(48)は去年6月、殺意は無かったものの辻和美被告(52)と共謀して福岡県水巻町に住む和美被告の姉つぐみさん(当時52)宅でつぐみさんの首を圧迫して殺害し、通帳3冊と印鑑を奪ったとされる強盗致死などの罪に問われています。
和美被告は強盗殺人の罪に問われ、今年8月、無期懲役の判決が言い渡されていますが、岡村被告は殺意はなかったとして、強盗致死の罪に問われています。
14日に福岡地裁小倉支部で開かれた初公判で岡村被告は強盗致死の罪について起訴内容を否認。
弁護側は「和美被告の行為とつぐみさんの死亡に因果関係がなく、第三者による殺害行為の可能性がある」などと述べ、岡村被告の強盗致死罪は成立しないと主張しました。
15日の公判では、つぐみさんの遺体の解剖と、和美被告の身体検査を行った医師の証人尋問が実施されました。
医師はつぐみさんの死亡原因について首の前の部分を圧迫されたことによる窒息死と証言。
検察側の「つぐみさんは馬乗りのような状態で後頭部を押さえつけられたうえ、首を圧迫されたのでは」という質問には、「解剖所見からはそれで説明がつく」と述べていました。
弁護側からはつぐみさんの首に帯状の傷が4か所あったことについて「首を絞めた人数が1人であったと言えるか」と問われると、「1人が絞めたのか代わる代わる絞めたのかは解剖所見からは分からない」と答えました。
次の公判(19日)では和美被告の証人尋問が行われる予定です。
岡村被告が共謀したとされる和美被告は、今年8月、強盗殺人などの罪で福岡地裁小倉支部から無期懲役の判決を言い渡されました。(その後控訴)
裁判で和美被告は”逮捕されるまで約20年、睡眠不足になるほど続けた売春では、その収入の大半を岡村被告に送金した”などと証言していました。