RKB毎日放送アナウンサー橋本由紀が、パリ五輪・やり投で決勝に進出する活躍を見せた福岡県糸島市出身、ゼンリン所属の上田百寧(うえだ ももね)選手(25)を取材。現在は何を見据え、日々の鍛錬に励んでいるのか、主なトレーニング場所となっている福岡大学陸上競技場に、上田選手を訪ねた。
福岡県の「タレント発掘事業」で適性を見出され…
小学生の頃、ドッジボールをやっていて、投げるのは得意だったそうだが、走るのも速く、この頃の夢は陸上選手。
しかし、主に短距離走をやっていた中学時代にライバル選手に負けることがあり、陸上を続けるか悩んでいるときに、福岡県の「タレント発掘事業」に参加し、やり投の適性を見出された。
その上田選手の持ち味は、苦手だと言う技術面を補う圧倒的なパワー、そして短距離走で培った助走の速さだ。
「遠くに飛ぶとうれしい」
きついトレーニングの先にあるやり投の面白さについて聞くと…
上田選手「遠くまで飛んでいるやりを見られたら嬉しいですし、正解が分らない中でもチャレンジして取り組んでいくっていうのはすごく楽しいところではあるのかなと」
やり投の面白さ、橋本も実際に体験させてもらおうと思ったのだが…やりの長さは2m30cm。持ってみると想像以上の長さ。
橋本アナ「これ投げられますかね?」
上田選手「初心者の方は頭に当たるかもしれなくて危ないので、こっちで」
そう言って上田選手が渡してくれたものは…「ジャベリックスロー」。やり投の中学生版とも言われる。
長さ70cm、重さは300gと(やり:長さ2m30cm、重さ600g)、やりよりも小さく軽いもので、中学生の大会では競技としても採用されている。上田選手も中学3年の時から短距離走と並行してやってみたところ、始めて1年足らずで51m飛ばし、全国3位になったそうです。
今回はそのジャベリックスローを体験した。上田選手から握り方・投げ方を教えてもらい、1投目。
「うりゃあ」と大きな声を出しながら気迫の投てきをするも…手を離れたやりはすぐに横を向き、10mも飛ばない。
上田選手「高すぎても低すぎてもダメで、自分に合った角度で」「横を向いてから1・2・3で投げるときに正面を向く」
上田選手の丁寧な指導のもと、橋本アナの記録は13mまで伸びた(苦笑)!
優勝しても悔し涙 いま見据えているのは…
今シーズン、パリ五輪を終えた上田選手は、先月、佐賀で行われた国民スポーツ大会=国スポに出場した。
結果は見事、成年の部で優勝。しかし試合後、優勝した上田選手の目には悔し涙が。
上田選手「なかなか自己ベストを更新できないっていう年が続いているので、なんで3年前の記録すらも超えられないんだろうっていう、なんとも言えない気持ちだったので。悔しい気持ちがあるから、また頑張ろうっていう風には思える」
悔しい気持ちをバネに練習に励む上田選手。今は、持ち前のパワーをさらに生かせるような、助走の強化に力を入れているという。
最後に、今後の目標については…
上田選手「まずは来年の世界選手権、8位入賞っていうのが1番の目標で、自己ベストを更新して(参加標準記録である)64メートルも達成するっていうところと、次はオリンピックが4年後にあるので、そこではメダルを獲得できるまで成長していきたいなっていうのが、私の陸上人生においての大きな目標かなっていう風に思います」