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クリスマスケーキにも値上げの波…原材料費が高騰「イチゴは奪い合いに」猛暑で生育に異変が

RKB毎日放送 2024年11月22日 17時40分

クリスマスまで1か月ほどとなり、洋菓子店ではクリスマスケーキの予約受付が始まっています。

ただ、卵や生クリームなどケーキづくりに欠かせない原材料の価格高騰で、クリスマスケーキも値上げせざるを得ない状況になっています。

さらに、猛暑の影響でイチゴの生育も遅れていて、今年のクリスマスシーズンはイチゴの争奪戦になるかもしれません。

街を彩るイルミネーション。

福岡市役所西側ふれあい広場では天神クリスマスマーケットも始まり、早くもクリスマスムードが高まっています。

クリスマスケーキの予算は?

RKB三浦良介記者「クリスマスパーティーに欠かせないのがクリスマスケーキ。みなさんの予算はどれくらいでしょうか?」

女性「2500円くらい」
4歳の女の子「クリスマス楽しみです」
女性「5000円から6000円ぐらい。特別だからいいかな」
女性「安いケーキとお酒を買いたいです」

お母さんと一緒に来ていた女の子に、希望のケーキの値段についてフリップにシールを貼ってもらうと「6000円~7000円」の欄に。
お母さん「娘の期待に応えたいと思います」

男性「5000円くらい。景気(ケーキ)が良くなるように」

予算4000~5000円が最多

クリスマスマーケットを訪れていた100人に聞いたところ、4000円から5000円と回答した人が36人と最も多く、次いで3000円から4000円が28人という結果となりました。

Qどんなケーキ食べたい?
女の子「ショートケーキが食べたい」
父親「好きなのならいくらでも」

イチゴとマカロンがのったショートケーキとサクサクのタルトも一緒に楽しめるクリスマスケーキは7560円。

オレンジ風味のブリュレに、口溶けの良いチョコムースを組み合わせたケーキは5184円。

大丸福岡天神店では、150種類以上のクリスマスケーキを用意し、インターネットで予約を受け付けています。(予約受け付けは12月10日午前10時まで)

Q.クリスマスケーキは? カップル「ちょうど話してたところです」「値上がりは、学生なのでやっぱりちょっときついですね」
男性「子供がいるので、ちょっと大きいのでキャラクターがのっていたらいいかなって」

原材料費の高騰で値上げ

博多大丸広報担当 立石幸菜さん「2700円から1万2000円まで幅広い価格帯を取り揃えています。平均価格は約5100円。原材料の高騰もありましたので、2年前に比べると10%~15%上がってきてはいるんですが、大丸としては素材にこだわったり、テーマ性のある商品を提供できるように努めております」

北九州市と糸島市に店舗を構える「フランス菓子果摘」です。

糸島産のレモンを使ったケーキやジェラートが人気のお店で、クリスマスケーキは毎年ホールで1000個ほど販売しています。

円安などによる原材料価格の高騰が続いていて、直径15センチのクリスマスケーキは今年、200円値上げして5000円で販売することにしました。

「値上げしても原材料費高騰に追いつかない」

フランス菓子果摘 楠本克実オーナーシェフ「去年よりも少し値上げはしましたけど追いつかないです。5%くらいですね、だいたい。こっちは受け身しかないから、たくさん予約してもらえることを願っています」

卵の価格が再び上昇

ケーキ作りに欠かせない卵の価格も高騰しています。

JA全農たまごによりますと、福岡県の卵の卸売価格はMサイズ1キロ当たりで、今年1月は175円でしたが、今月は20日時点で270円まで上がっています。

鳥インフルエンザの影響で価格が高騰した去年からの「エッグショック」は収まりつつあったものの、猛暑でニワトリが夏バテして産卵数が減少し、秋の「月見商戦」も重なったことなどから、再び価格が上昇しています。

猛暑でイチゴに異変

さらに今年は猛暑の影響でクリスマスケーキの主役とも言えるイチゴにも異変が・・・。

糸島磯本農園 宝金愛理さん「最近まで天井とかに寒冷紗という、涼しくなるように1枚黒い布をひいて、日光が入り過ぎないようにしました。資材費とかが高騰しているからその分(価格が)上がっていくかもしれないですね」

こちらは今年9月に撮影した広川町のイチゴ農園です。

イチゴの苗のほとんどで、葉の一部が枯れていました。

さらに、秋になっても暑い日が続いたため、花芽の生育が遅れ、例年9月20日ごろに行う苗の植え付けが10月上旬までずれこみました。

「クリスマスに間に合わないおそれも」

クリスマス用のイチゴは9~12グラムのMサイズが主流ですが、JA全農ふくれんは「クリスマスシーズンに出荷が間に合わないおそれもある」と話しています。

今年のクリスマス用イチゴの卸売価格は、1パックあたり1000円を超える見込みで、1000円を超えるのは、豪雨の影響を受けた2017年と2018年以来です。

フランス菓子果摘 楠本克実オーナーシェフ「なるべく地元のイチゴを使うようにはしています。今年は気温が高くてイチゴの出来が悪いという話を聞いているので怖いですね。一粒100円のイチゴになってくるのかな」

イチゴの価格が見込みより上昇すれば、その分、利益が減ってしまいます。

フランス菓子果摘 楠本克実オーナーシェフ「チラシも作っているのでクリスマスケーキの値段はもうこれ以上、上げようがないですけど、イチゴは冷凍したらぜんぜん使えないのでクリスマスはイチゴの奪い合いなんですよ。大手ががさっと持って行ってしまうので、町場のケーキ屋に来るイチゴは高くて厳しいですね」

クリスマスまであと1か月あまり。今年のクリスマスはイチゴの争奪戦になるかもしれません。

「ケーキの原材料が高騰」

取材した洋菓子店によりますと、ケーキを作る原材料の多くが値上がりしているということです。

卵や生クリームは30%アップ、バターは30~40%アップ、小麦粉は5~10%アップ、砂糖も20%アップ。

こちらの洋菓子店では4割のクリスマスケーキにイチゴを使っています。「去年は1粒およそ80円だったのが、今年は100円を超えるかもしれない」と話しています。

直径15センチのクリスマスケーキは、去年より200円価格を上げていますが、それでも原材料費の高騰に追いついていない状況です。

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