博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」が浸水を隠蔽し運航を続けていた問題で、JR九州高速船と親会社のJR九州は、責任を明確にするためJR九州高速船の田中渉前社長ら3人を解雇処分としました。
3人に対し、損害賠償請求することを検討しています。
浸水を隠蔽し3か月以上運航
JR九州 古宮洋二 社長「再発防止策を一体となって取り組むことで信頼回復に努めてまいりたい」
この問題は、JR九州高速船が「クイーンビートル」の船首部分の浸水を確認しながら国に報告せず、3か月以上運航を続けていたものです。
第三者委員会がまとめた調査報告書では、責任はJR九州高速船の幹部と船長にあり、親会社のJR九州に対しては「関わりが十分ではなかった」と結論づけていました。
これを受けて、JR九州高速船の田中渉前社長と柴田康祐取締役、小川仁取締役のあわせて3人を解雇したと発表しました。
JR九州は3人に対し、今回の問題で生じた損害を賠償請求することを検討しています。
このほか隠蔽に関わった従業員についても処分を行ったということです。
人数は明らかにしていませんが、古宮社長は、過去最大規模だという認識を示しました。
また、JR九州の古宮社長の報酬を2か月間、3割減額すると発表しました。
「クイーンビートル」の運航再開の時期について、古宮社長は溶接方法を見直すなどの対策や社内の安全意識の向上などの再発防止策を講じたうえで検討したいと話しています。