日本全国、多くの気象台の庭には、ワラの束が置いてあります。これって何のためにあるのでしょうか。
ズバリ!霜の観測に使われているのです。
気象台の露場(ろじょう)と呼ばれる庭 置いてあるワラの束は何のため?
気象台の観測員は、毎朝ワラの束をじっくり見つめ、霜が降りていないかどうか見極めています。
その姿を想像すると思わずワラってしまいそうですが、いやいや、まじめな観測です。
この方法が霜の有無の判断にとても適していて、全国多くの気象台で採用されているとのこと。
ちなみに、写真はきょう12月20日に福岡管区気象台の初霜を観測した時に撮影されたもので、まさに、福岡の初霜観測の瞬間を捉えたものです。
バケツで観測しているのは・・・
そして、こちらのバケツも、多くの気象台で、あるものの観測に使われています。写真は、少し溶けかかってはいますが、バケツの中の水に氷が張ったかどうかを観測しています。
きょう12月20日は東日本・西日本の多くの地点で今シーズン一番の冷え込みとなり、福岡や神戸など8地点で初霜、福岡や横浜、京都、広島など9地点で初氷の発表がありました。
重要性を増す目視観測
「初霜」の観測は、130年以上前の1891年から、また、初めて氷がはる「初氷」の観測は1932年からと、90年以上続いています。
経費削減や人員削減などの理由で、気象台の職員が行ってきた「初雪」などの長年続く様々な目視観測が今年から器械での観測に変わりました。器械ではできない、ひょうや虹、黄砂などの観測は無くなってしまいました。
その中で生き残ったのが「初霜」「初雪」など、ワラにバケツという何ともアナログ的なものを使った気象観測。できるだけ長く続けて欲しいものです。
RKB気象予報士 龍山康朗