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「リスクがゼロになったわけではない」”調査終了”でも油断できない 南海トラフ地震

RKB毎日放送 2025年1月14日 20時0分

13日、日向灘で起きた地震。去年8月に続いて南海トラフ地震臨時情報の「調査中」が発表されましたが、「新たな巨大地震が起きる可能性が平常時より高まっていると考えられる現象ではなかった」として調査は終了されました。

この臨時情報への対応を研究している防災心理学の専門家は「リスクがゼロになったわけではない」と話します。

「だいぶ揺れました」

13日夜、日向灘で起きた地震。福岡県では、久留米市で震度4、筑後地方などで震度3、福岡市や北九州市などで震度2を観測しました。

久留米市民
「だいぶ揺れましたよ。1分までは揺れなかったけど」
「ラインで全部に送りました地震怖かったねって風呂入ってなんかおかしい頭がおかしいと思ってあがったら電気の紐とかタオルかけているのがゆれてました」
「備えはしないといけないなと思うけど何すればいいかわかんない」

「南海トラフ地震臨時情報」の「調査中」を発表

震源は宮崎県沖の日向灘、地震の規模を示すマグニチュードは当初6.9と推定され、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」の「調査中」を発表しました。

東海から九州の太平洋側で近い将来の発生が予想される「南海トラフ地震」。より精度の高い地震の規模を示すモーメントマグニチュードを算出したところ、今回の地震は6.7で、「巨大地震注意」の発表基準である7.0には満たないことが分かり、調査を終了しました。

「地震のリスクがゼロになったわけではない」

去年8月に続く日向灘の地震での「臨時情報」。

今回は調査終了となりましたが、防災心理学を専門とする九州大学の杉山高志准教授は「地震のリスクがゼロになったわけではない」と強調します。

九州大学 杉山高志准教授「臨時情報が出ようが出まいが地震のリスクは潜在的に存在するのだということが地震災害に対する正しい構えでしてそれを忘れることなく日常生活から備えを拡充していく必要があると言えます」

前回の発生から約80年

南海トラフ巨大地震は歴史上100年から150年の間隔で起きていて前回の発生から80年近くが経過しています。

また、日向灘では過去にもマグニチュード7クラスの地震が繰り返し起きています。臨時情報が出た際の避難支援などについて住民らと検討を続けている杉山准教授。

「今後、何回も臨時情報が発表される機会がある」としたうえで「備えを拡充していく必要がある」と強調します。

九州大学 杉山高志准教授「何度も臨時情報が発表されたから、慣れてしまうのではなくて、何度も臨時情報が発表されたからこそ対応に慣れる。それゆえにその都度対策を考えるといった形で日常生活の中に臨時情報を書き込ませる必要があると考えております」

死者32万3000人の被害想定も

南海トラフ地震が発生すると国の被害想定では、最悪の場合死者32万3000人、倒壊・焼失する家屋238万6000棟、経済的な損失はおよそ215兆円にのぼると試算されています。

いつか起きるその日のために、日ごろからどのように備えていくのかが問われています。

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