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尿もれ・膣の乾燥 更年期症状を和らげる治療や商品 医師は「睡眠や食事も役にたちます」

RKB毎日放送 2025年1月15日 17時24分

「GSM」という言葉をご存じでしょうか?

デリケートゾーンのかゆみや乾燥、尿漏れなど、女性の更年期にあらわれる症状のひとつを指します。

閉経後、女性ホルモンの低下で多くの女性が悩むといわれる「GSM」、快適に過ごすための最新の治療法やケア商品を紹介します。

50歳ごろに迎える閉経前後の更年期症状

GSMは「閉経関連尿路生殖器症候群」などと訳され、女性が50歳ごろに迎える閉経前後の更年期症状のひとつです。

どんな症状なのでしょうか?

アイさくらクリニック 木村昌幹 院長
「泌尿器系として一番多いのが尿漏れ、頻尿、この2つが多いですね。生殖系としては膣の乾燥」

デリケートゾーンの乾燥やかゆみ、痛み、尿漏れなど様々な症状が現れる「GSM」は、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が減少することで起きるため、誰でも起こりうるといいます。

完全に治療することはできないということですが、症状を和らげる方法はあるのでしょうか?

ホルモン治療法や保険外治療も

アイさくらクリニック 木村昌幹 院長
「しっかり睡眠をとったり適度な運動、食事に気を付けるイソフラボンを含んだ食事を多く取るとかそういったことも役に立ちます。当院ではエストロゲンの補充療法、女性ホルモンの補充療法やケースによっては直接保険は適用していないが塗り薬も準備はしています」

こちらは女性ホルモンの補充療法として処方している貼り薬です。

お腹など皮膚に貼ると女性ホルモンが補充され、症状をやわらげる効果が期待されています。

ただ、副作用として血栓症のリスクもあるため、このクリニックでは血液検査をしてから処方します。

また、こちらの椅子のような機械は・・・。

アイさくらクリニック 木村昌幹 院長
「骨盤の底筋を鍛える機械、アンチェアという機械を取り入れて座ることで、下から電磁波を出して30分間で1万2000回の筋トレをするような機械で、それをすることで尿漏れが劇的に減ったという方もいらっしゃいます」

尿漏れの原因となるのが骨盤底筋の衰えです。

この電磁波が流れる椅子に30分間座ることで、骨盤底筋を刺激し鍛えることが出来るといいます。これは保険外治療で、このクリニックでは30分8000円で実施しています。

RKB 下濱美有 記者
「若干ピリピリとくる感じですよね」

痛みもそれほど感じないため、簡単にできるトレーニングです。

気軽に購入できる「デリケートゾーン専用のケア商品」

一方で、日常生活に取り入れられるケア商品も登場しています。

RKB 下濱美有 記者
「ここは化粧品専門店なんですが、一角にデリケートゾーン専用のケア商品が多く並んでいます」

福岡市内のデパート「福岡三越」の地下にある専門店エリアに1年ほど前にオープンしたフェムケアグッズ売り場です。

デリケートゾーン専用の石けんはもちろん、化粧水に乳液、オイルなども登場し、もはや顔のケアと変わらない品揃えです。

このほか、オーガニック素材の石けんや海外発の尿漏れ対策グッズなども、取りそろえられています。

売り場を展開する 大賀薬局マーケティング課 長冨幸子 課長
「デリケートゾーンが体の中で皮膚が薄いといわれていて、まぶたよりも薄いので保湿が大事になってきます。お風呂からあがったらお顔や体よりも真っ先にデリケートゾーンの保湿をしていただきたい」

更年期症状に特化した商品を開発する企業も

更年期症状により特化した製品を生み出している企業もあります。

エイジングケアなどを手がける「アンファー」。

アンファー 吉岡真実子 取締役
「デリケートゾーンが乾燥して、ひりつくというのはよく聞く話かと思うんですけれど、それにともなってジーパンがはけない、自転車のサドルに痛くて乗れないとか下着をつけるのも困難でふんどしで生活しているという患者さんがいらっしゃいます」

デリケートゾーン専用の石けんや保湿用のミストなどを開発しています。

女性ホルモンの低下にともなう膣内環境の悪化が、デリケートゾーンのトラブルを引き起こすことに着目。去年3月には、内側から膣内環境を整えることを期待して乳酸菌のサプリメントを医師とともに開発しました。

年齢を重ねるともにやってくる女性の体の変化「GSM」、我慢することなく、より快適な日々を過ごすために自分にあった方法を探してみるのもいいかもしれません。

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