生活保護の基準額の引き下げについて受給者が取り消しを求めた裁判。
福岡高裁は29日、「生活保護の趣旨に反する」などとして、１審の判決を変更し、引き下げを取り消しました。
この裁判は2013年からの生活保護の基準額の引き下げについて、福岡県内の受給者39人が、憲法違反だとして、引き下げの取り消しと１人10万円の慰謝料を求めたものです。
１審の福岡地裁は、「国の判断に誤りはなく、憲法に違反しない」として、原告側の訴えを退けました。
29日の判決で福岡高裁の松田典浩裁判長は、「基準額の引き下げは生活保護の趣旨や目的に反している」などとして、１審の判決を変更し、引き下げを取り消しました。
一方で、慰謝料については「引き下げの取り消しで損害は回復される」として訴えを退けました。
今回の判決について原告はー
原告男性
「生活が少しは良くなるなと思って本当に嬉しいなと今はそう思っております」
基準額の引き下げをめぐる同様の訴訟で、原告側が勝訴するのはこれで20件目となり、高裁判決では、おととしの名古屋高裁に続き２件目です。