2月2日は立春、暦の上では春となりますが、この立春の朝に日本酒を造る、立春朝搾りという行事をご存じでしょうか。
福岡県では唯一宇美町の酒蔵が行っていて出来上がった日本酒が早速、お客さんのもとに届けられました。
全国41の酒蔵が参加
福岡県宇美町の小林酒造本店。
きょうは暗いうちから立春朝搾りの作業が行われました。
立春朝搾りは日本名門酒会に加盟する酒蔵が春の訪れを祝おうと27年前に始めたもので今では全国41の酒蔵が参加し、福岡県では小林酒造本店だけが取り組んでいます。
立春の朝に搾って瓶詰めし出荷するという決めごとがあるためスケジュールの管理に気を遣います。
小林酒造本店杜氏 石蔵利輔さん
「立春の日に搾らないといけないので、お米の原料処理の洗米から発酵管理まで。今日という日に搾るということが非常に大変になってる、難しいですね。『毎年楽しみにしてるよ』っていう声を聞いているので、非常にプうレッシャーはかかっていますけれど、そのプレッシャーを楽しみにしながら頑張らせていただいています」
「淡麗、辛口に仕上がった」原酒
午前6時すぎ、集まった小売店の人たちに今年の出来が伝えられます。
小林酒造本店杜氏 石蔵利輔さん
「味わいとしては淡麗、辛口の方で仕上がったのかなと思います」
出来たあがったばかりの原酒は無病息災や商売繁盛を祈願して小売店に運ばれていきました。
高橋酒店 高橋佑吉さん
「やっぱり、立春っていうのがいいですよね。年の変わりなんで、疫病退散とか益々繁盛とか願ったお酒って少ないんで、そういうのは毎年楽しみにしていただいてるお客さんばっかりです」
「この日を楽しみにしている」予約客が来店
午前9時すぎには、立春朝搾りを求めるお客さんがやってきました。
来店客
「この日を楽しみにしております」「2本予約してたやろ?」
「立春朝搾り?」「あ、いいねえ」「はい」「取りに行ってきました、きょうも今年も」「ありがとう」
「うん、おいしい」「優しいね、香りもいいしね」
まだまだ寒さが続く時期ですが立春搾りという言葉に気分だけでも春めきたいというファンも少なくないようです。