国の許可を受けずにFX投資名目で投資家を募り、金融商品取引の仲介をしたとして62歳の無職の女ら3人が逮捕されました。
確認できているだけで162人から約9億円を集めたとみられていて、警察はこれらの現金をだまし取った詐欺容疑での立件を視野に捜査を進めています。
金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたのは、
主犯とみられる熊本県天草市の無職・岩本しのぶ容疑者（62）、
勧誘役とみられる福岡県行橋市のアルバイト・梶原多美子容疑者（62）、
事務担当とみられる福岡市南区のアルバイト・松田芳郎容疑者（64）の3人です。
岩本容疑者ら3人は2022年2月15日ごろから10月31日ごろにかけ、国の許可を受けることなく、福岡県みやこ町に住む当時57歳の女性などあわせて4人からFX投資名目で投資を募り、金融商品取引の仲介をした疑いが持たれています。
警察によりますと、岩本容疑者ら3人は、”1口50万円が7年間で1億円に”などとうたう商品をパンフレットやホームページを使うことなく口コミで紹介していたとみられています。
勧誘役とみられる梶原容疑者は投資を誘う際、主犯とみられる岩本容疑者について「すごいトレーダー」「人助けのためにFXをしている」「資産もいっぱいあって元本保証するから安心」などと話していたということです。
2023年5月に投資をした男性が「配当をもらえない」などと警察に相談して事件が発覚。
岩本容疑者ら3人は、配当金の支払いが滞ると「体調不良でトレードできなかった」「スタッフがお金を持ち逃げした」などと記した書面を送り、発覚を遅らせたとみられています。
警察は「共犯事件のため捜査に差し支える」として岩本容疑者ら3人の認否を明らかにしていません。
押収した資料などから、岩本容疑者ら3人は2015年から2023年までの9年間で、確認できているだけで162人から約9億円を集めたとみられていて、警察はこれらの現金をだまし取った詐欺容疑での立件を視野に捜査を進めています。