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松山市で314棟が浸水被害…なぜ記録的大雨に?冠水道路を走行する危険性

南海放送NEWS 2024年11月5日 18時58分

今月2日、愛媛を襲った記録的な大雨。松山市や今治市の広い範囲で浸水被害が発生しきょう、り災証明書の受け付けが始まりました。

なぜ記録的な雨が降ったのかそして、大雨の際私たちがとるべき備えとは…取材しました。

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5日午前、松山市の城北エリア。松山市の職員が行っていたのは、2日の大雨で浸水した家屋の被害状況の調査です。

公的な支援を受けるために必要なり災証明書を発行するための調査で、市に連絡のあった世帯を中心に順次行っています。

災害から3日が経ちすでに掃除などをしてしまっているため、痕跡が分かりにくくなってしまっているケースも多いと言います。

松山市建築指導課 佐々木伸 建築技師:

「当時の写真があればそういったものもこちらで査定させていただいて調査の参考資料にする」

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こちらの家では。

住民:

「一番来ていたときにはここぐらいまでは来ていた(道路の)金網があるじゃないですか、あそこから溢れる感じで内水氾濫っていうんですかね。初めてのことでそうそう経験することでもないですし、このあたり災害が多くないのでどうしていいか分からない。急ぎ復旧はしたいです」

松山市によると、5日午後4時現在で床上浸水62棟、床下浸水252棟の被害が報告されているということです。

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そして松山市役所では、り災証明の受付がスタート。

職員:

「この浸水に関しては松山市の職員の方で調査をさせていただいて、それで最終的な証本を出す」

職員らが受付や電話での問い合わせの対応に追われていました。

申請に訪れた人:

「駐車場にとめている車の浸水の(申請)こちらですね。タイヤが半分ぐらい隠れていますね。(近所は)今までも結構水浸しのところが多かったが、自分のところの駐車場までは1cm2cmの感じだったけど、今回は見たらプール状態で」

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(2日)

杉本記者:

「松山市海岸通の交差点です。見る見るうちに水位が上昇して、冠水しています」

叩きつける大雨に、冠水した道路。今月2日、松山市と今治市では、1時間におよそ100ミリから120ミリの雨を観測。県内のあわせて4つの観測地点で、観測史上最大の1時間雨量を観測しました。

白石アナ:

「本町7丁目の国道です。このように道路は冠水していて、こちらの車、先ほどからハザードランプを焚いて、動けなくなっています」

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松山市で特に被害が深刻だったのは城北エリアです。大川と久万川で氾濫の危険度が高まったとして、一時、警戒レベル5「緊急安全確保」が発令されました。

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潮見公民館:

「内水氾濫の要因が大きい前の川はギリギリ越えなかった。裏の水路は道路と同じ高さの水路が通ってる。そこがあふれてこっちに流れてきた」

大雨の翌日、その城北エリアでは復旧作業が行われていました。

潮見公民館:

「(去年7月の大雨が)15センチくらいなんですけど今年はさらに15センチ高くあがったので25センチ以上に」

避難所にも指定されている潮見公民館は、去年7月の大雨でも床上浸水の被害に見舞われました。

現地の自主防災会によると、この近くで大きな川が直角に合流しているほか、周囲よりも少し低い場所に公民館が建っているということです。

自主防災会の人:

「避難所の状況をHPで見たら潮見公民館から小学校の方に変わっていた。ここが浸かったので水害のときの避難としては不適格と思う」

こちらの松山市祝谷にある理容室では、隣接した川が溢れ浸水。水路の合流部分で水嵩が高くなったと言います。

理容こんどう 近藤公子さん:

「湯築小学校の方から道後の方から来る、そして上から来る(2つの川)合流する角度が私の所にちょうど入って来るようになっている」

突如襲った記録的な豪雨。なぜこの時期に、愛媛でこれほど雨が降ったのでしょうか…

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【スタジオ】

松岡キャスター:

水口さんです。普段あまり大雨にならない松山で記録的な豪雨となりました。理由は何なのでしょうか?

水口気象予報士:

土曜日の朝の時点で低気圧や前線付近に発達した雨雲がかかっていました。

この低気圧は元々台風だったこともあり、暖かく湿った空気を大量に持っていて、前日の時点でも1時間に40ミリの激しい雨を予想していました。

しかし予想よりも暖かく湿った空気を運ぶ上空の風が強かったことと、比較的短い時間で移動して抜けていく予想だった雨雲が停滞したことが記録的な雨の要因と言えそうです。

伊予灘に注目してください。西から入ってきた雨雲が次々に発達しライン状となって、松山市北部から今治にかけて流れ込み続けます。

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松山市付近では午前11時から正午までの1時間に100ミリの猛烈な雨、今治市付近でも120ミリの猛烈な雨を観測。松山市と今治市には稀にしか発生しない雨量であることを知らせる「記録的短時間大雨情報」が2000年以降初めて発表されてました。

松岡キャスター:

線状降水帯にはなりませんでしたけど、雨雲が停滞して危険な雨の降り方だったということですね。

水口気象予報士:

そうですね。雨雲が停滞した理由は上空の風の流れなどが考えられますが、詳しい原因は現在、気象台が調査しているということです。

土曜日の夕方までに観測された1時間雨量は松山空港で78.5ミリ、松山で78ミリ、今治市玉川で66.5ミリなどいずれも観測史上最も多く、たった1日で平年11月1か月分の2倍以上の雨となり、季節外れの大雨となりました。

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今回の大雨で多く見られたのが冠水した道路を走行する車。水の中を車で走るのはどう危険なのか専門家に聞きました。

JAF愛媛支部 ロードサービス隊近藤司 隊長:

「(車は)水に弱いものなので大変危険マフラーに水が入るほど冠水状態になるとかなりエンジンが停止する危険性の高い状況」

「下をご覧いただいたらここにマフラーがあって、すねのあたりの高さ、排気ガスを出しているところに対してアクセルが踏んでない状態になると水が吸い込まれる状態になる。正常な排気をしなくなる。最終的にはエンジンが停止してしまう」

さらに危険なポイントがもうひとつ…。

「これも車によって違うんですけど、バンパーの前のあたりに空気を入れる給気口ってのがある。エンジンの中に空気が入らないといけないところに水が浸入してきて、エンジン自体が破損する状況」

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このほか車のセンサーが腐食することで破損することもあり、一般的に15センチから20センチほどの水深が車にとっては命取りになると言います。

今回の大雨を受け、JAFには2日当日だけでも松山市で車の浸水に関する連絡が50件と相次ぎ、このうち28件については牽引するなどの対応を取ったということです。

近藤さんは「駐車場に停車中に浸水した車でも感電や誤作動のリスクがある」として、エンジンをかけずにレッカーなどの依頼をするよう呼び掛けます。

そして、もしも冠水した道路に出くわした場合はどうすればいいのか。

「冠水していると感じた時点で必ず止まって、引き返せるのであれば引き返して、高台などがあるのであれば浸水を防げる場所に避難していただく一時的なものであれば雨が止むまで我慢していただく ということは必ずやっていただきたい」

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