きょう、来月以降の食品の値上げ動向が発表されました。11月以降、いったん落ち着きを見せていましたが、来年は年明けから値上げが再加速する見込みです。値上げは、冷えた体を温めてくれる老舗の味にも影響を及ぼしています。
たっぷりのタマゴを使ってチキンライスを包み込んだオムライス。世代を問わず愛される昔ながらの味が自慢ですが、ここにも物価高の影響が…
茶家茶家 日野雅也店長:
「お米と卵、そこに使っている野菜もすべて値上がりしていて」
30種類の定食が楽しめる松山市のこちらの飲食店。こちらの店ではおコメの仕入れ値が去年と比べ1.8倍に。
日野店長:
「(卵は)いつもだいたい3個4個使っている」
タマゴも1個あたり1円から2円と、少しずつ値上がりしていると言います。
さらに…。
記者:
「こちらが野菜炒めで使う野菜」
日野店長:
「キャベツとニンジンと玉ねぎと今しめじを入れている。全体的に1~2割はある程度、期間を置いたら上がって来るものによります」
気温の高い日が続いたことなどから野菜の価格も高騰。農林水産省が全国の店頭での野菜の価格を調査したところ、平均価格は平年と比べ、キャベツが2.3倍。大根や白菜は1.5倍となるなど野菜も高くなっています。
「極力手作りですべてさせてもらう。値段の変動によって多少(野菜の)比率を変える形で企業努力させてもらって」
財布に優しく、1000円以内の定食メニューを充実させているこちらのお店。お客に満足してもらえるよう企業努力で乗り越えようとしています。
「1000円というのがひとつお客様が利用されるときのボーダーライン。1000円を超えるとどうしても高く感じる。値上げしないように物を提供できたらと努力している」
一方、寒くなると恋しくなるあったか~いラーメン。大洲市の店ではラーメンには欠かせない“あるモノ”が影響を受けていました。
福ちゃんラーメン 中岡雄二 店主:
「今月からコショウが完全に変わりました」
記者:
「コショウ!?」
スープの味を決めるのに欠かせないというコショウ。
中岡店主:
「コショウは創業以来同じ業務用のメーカーのコショウを 使っていたが、コロナや円安の影響で生産が終了になりまして、輸送のコストとかも考えたら採算合わなくなったのではないかと思います」
全国的に値上がり傾向のコショウ。中岡さんはホワイトペッパーとブラックペッパーの配合や香りができるだけ以前と近いものを探し、様々なコショウを取り寄せたと言いますが…
「(コショウは)ラーメンの恋人みたいなもの、欠かせない。昔から来てもらっている常連さんは、後味が違う、変わった?と聞かれる」
1967年にラーメン屋台として創業した「福ちゃんラーメン」。大洲市で半世紀以上に渡り、世代を超えて愛されてきた老舗の味が今、変化を余儀なくされているのです。
ほかにも…
「豚肉が去年の年始めから比べると6割上がった。業者に勉強してもらって急遽、外国産の豚肉になりました」
タマゴなども値上げの影響を受けていると言いますが、食材を変えながらも守り続けてきた味をできる限り変えないよう努力を続けています。
「味は変わったかもしれませんが 心は変わっていません。気持ちを込めて作っています。またこれからもみなさんに来てもらって一回一回感想を伝えてもらったら」
きょう帝国データバンクが発表した食品の値上げ動向によると、12月の値上げは年内では最も少なくなっていますが、年明け1月以降は「粘着質な値上げの継続」が見込まれるとのことです。
こちらは分野別の値上げの品目数ですが、1月から4月は酒類・飲料で1251品目、パンは1227品目と断続的な値上げラッシュが再燃する見通しです。
帝国データバンクは原料費の高騰だけでなく、物流費や人件費に由来する値上げが継続する可能性が高いとしています。