今年7月、松山城の城山で発生した土砂崩れから、あすで5か月です。昨夜、県と松山市が初めて「住民向けの説明会」を開きました。住民からは、未だ分かっていない土砂崩れの原因について質問する声が相次ぎました。
昨夜、県中予地方局で開かれた住民説明会には緑町1丁目に住む56人が出席しました。
土砂崩れ以降、行政による住民説明会は初めてで、会では県と市の担当者が、来月始まる復旧工事について、県が土砂崩れで壊れた山裾の擁壁や落石防護柵を設置し、市が、崩れた斜面の対策工事を行うことを説明しました。
7月12日に発生した土砂崩れでは、ふもとの住民3人が亡くなり、土砂が流入するなどして少なくとも79の住宅が被災しました。
崩れた城山を管理する松山市はこれまでに、被災した建物や家具などの修繕・購入費として住民に「生活再建金」を給付するなどしていますが…
(今年9月)
マンション管理組合 松村崇史理事長:
「市の動きが全然見えてこないので、市の謝罪なり説明なりをとにかくしてくれと」
住民たちはこれまで、説明会の開催や工事内容の説明を求める「要望書」などを、松山市に4回、県に1回、提出しています。
そして5か月が経ち、ようやく実現した初めての住民説明会。住民からは工事について「騒音や振動に気を付けて作業してほしい」、「資産価値が下がらないよう景観を損ねない仕上がりにしてほしい」などの意見が出ました。
また、住民から相次いだのは“土砂崩れが起きた原因”についての質問でした。
県が設置する「技術検討委員会」では、現場の上部にある「緊急車両用道路」と土砂崩れの発生の因果関係などを含め調査していますが、原因の特定には至っていません。
男性:
「どの辺まで追究できたの?原因が。それを説明してください」
市の担当者:
「災害が発生した素因と言われる原因に近いもの、影響を与えた誘因というもの、これらをリストアップするというところまでは終わっているかと思います。ただ、これらがどういった形で発生に関わってきたかという事に関しては今現在、(技術検討委員会で)検討して頂いている状態になっておりますので、その結果を待っている状態になっています」
男性:
「県の方に聞くと、それは市の管理する所だから市の方がやるべきだ、ということでやらせてるという回答になっていて、市の方に聞くと、県との検討委員会の中でいろいろと調べながら進めていくとなっているんですけれども、僕らからしたら宙に浮いている、そこのところは全く議論されていないような状態に なっていると見えるんです」
この他にも「設計や施工管理が妥当だったか詳しく調査してほしい」「原因が特定されていない中での工事は安全なのか不安」などといった意見が出ました。
県と松山市は、復旧工事について1年半後の再来年5月末までの完成を目指しています。
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