きょう発表された愛媛県のレギュラーガソリンの平均小売価格は、前の週と比べて3.9円値上がりしていて、ガソリン補助金削減の影響がジワジワと出てきています。
しわ寄せはあらゆる場面に。そして少しでも影響を少なくしようと工夫を凝らす動きも見られます。
松山市内のガソリンスタンドです。
JA松山市 中央給油所 徳本雅彦所長:
「本日の店頭価格です。仕入れ価格の方がやっぱり業者から入って来る価格が、今高騰の一途をたどっている状態」
先週の国の補助金カットを受けこちらの給油所では、おととい1リットルあたりのガソリン価格を、5円値上げしました。
去年7月時点のレギュラーガソリンはリッター174円でしたが…年末の補助金削減を受け5円値上げに。
さらに今回の値上げと2回の補助金カットにより、年末からのわずか1か月間で価格を10円上げたのです。
徳本さん:
「入って来るものが上がってしまうとその分苦渋の決断ということで、値上がりを止む無く行っている」
きょう国が発表した平均小売価格の調査では、愛媛県のレギュラーガソリンは186.5円と前の週と比べ3.9円値上がりし、1年4か月ぶりの高値となりました。
徳本さん:
「仕入れ業者との交渉とか、少しでも値上がりを抑えていただくよう毎週行っている。少しでもお安くお客さんに提供できるようにという努力は企業として行っている」
変わってこちらは県内有数のミカンどころ、宇和島市吉田町です。共選場で選別されていたのは…
JAえひめ南 喜佐方共選場 大崎茂剛共選長:
「これはポンカンです。今年も大きい、おいしいのができました」
そのポンカンを東京や神奈川、栃木など関東方面にトラックで送り届けるのが地元の運送会社です。
坂口さん:
「営業するにあたりましては大変ですね、コストですね。一番ガソリン(燃料)代が大変です」
こちらの坂口さんの運送会社では11台のトラックを走らせていて、燃料となる軽油の価格上昇が重くのしかかります。
坂口さん:
「(きょうは2台で)1000リットルですね。年末に5円、今月に5円(の値上げ)ですね。(値上げ額は)1台6000円の11台ですから、6万6000円。それのだいたい(ひと月あたり東京を)6往復しているので×6です。去年の暮れから考えたら、60万、ひと月60万余分にいるということです」
JAえひめ南ではこれまで選果場ごとに別々のトラックでミカンを輸送していましたが、1台のトラックが複数の選果場を回ってミカンを積み込む新たな仕組みを導入しようとしています。
トラックの空きスペースに別の選果場のミカンを積み込むことができ、燃料費の節約につなげる狙いです。
坂口さん:
「対応は、もう私どもはどうにもならないので、ドライバーの方に考えてもらって、アイドリングを少なくするとか、 高速代を控えてもらう。乗らないという訳にはいかないので控えてもらうという感じで自分たちが考えてできる範囲で」
一方、東温市の温泉施設。広さ西日本最大級だと言う露天風呂が自慢ですが…
利楽温浴フロントマネージャー 菅原真一さん:
「主には湯温を調整温度の維持・キープ、あと私どもの施設では床暖房に重油を使っている」
冬のシーズンにこちらの施設で使用する重油は、1か月あたり4万リットル。1リットル当たり10円値上がりしたことで、燃料代は40万円のアップになると言います。
菅原さん:
「私たちの施設は露天風呂が大変広いので、寒くなる時期は特に重油の需要は大きくなる(夏場と比べて使用量)もう圧倒的に10倍くらい違いますね」
そこで少しでもコストを削減しようと行っているのが…
「こちらが重油を使うボイラー保温の段階で、電気と交互にボイラーと電気を活用しながら調整して保温している」
このほか気温や時間帯を見極めながら床暖房のこまめなON/OFF、バックヤードの節電などを行い、月およそ10万円のコストカットに成功。
それでも燃料高は経営を圧迫していますが、利用料金の値上げは行わないよう企業努力を続けると言います。
「やはり普段から利楽をご利用いただいているすべてのお客様にご満足していただくための最低限の企業努力と思っている。節約できるところで節約し、コストダウンで調整させていただく」