注目のランナーや大会の見どころを紹介している愛媛マラソンスペシャル。きょうは伴走者との“絆”で自己新記録を目指す、盲目のランナーです。
野瀬毅さん:
「20年ぶりに走り出したという形になります」
野瀬 毅さん、54歳。松山市在住の野瀬さんは遺伝性の目の病気で、25歳の時に両目の視力を失いました。グランドソフトボールをするなど、もともと体を動かすことが好きだった野瀬さんは4年前、目の不自由な人のランニングやウォーキングの伴走をサポートする「えひめだんだんパートナーズ」の誕生をきっかけにマラソンをスタート。
野瀬さん:
「最初は10分15分走ったら嫌になって続くのかなと思っていたら、まる4年続いていたという形になっています」
今回の愛媛マラソンには、去年に引き続き、理学療法士の渡邊敦さんが野瀬さんの伴走を務めます。伴走者は、段差があることを事前に伝えたり障害物を避けたりとランナーに周囲の状況を伝えます。
伴走者 渡邊敦さん:
「2人で1つではないですけど本当良きパートナーというか、1人で走るよりは2人で走る方が達成感とか喜びも2倍だし。いい刺激になっています」
ランナーと伴走者は、長さおよそ50センチの輪っか状のひも“絆”を持って走ります。
野瀬さん:
「(ペースを)もっと速く上げるぞ、もっと遅く落とせという感じで腕を振ってるだけで会話ができている今、頼もしい存在です」
声で伝えるだけでなく、紐を通してもお互いの心境が伝わる…まさに絆です。
野瀬さん:
「ゴール直前までずっと腕を合わせて、楽しくゴールできたらと考えています」
この日は松山城の城山周り、およそ4キロのコースを2周走る練習です。野瀬さん、1週目を1キロ4分28秒のペースで走りました。
去年の愛媛マラソンの記録は3時間48分41秒。今年は…
野瀬さん:
「3回目の(愛媛)マラソンになりますけど、ズバリ3時間30分を目指して走りたいと思います」
“絆”がつなぐ野瀬さんと渡邊さん、二人三脚で記録の更新を目指します。
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