愛媛マラソンのスタートまで40時間を切りました。地域でランナーを見守る人たちも大会を支えるスタッフも準備は最終段階。そして最強寒波の中でレースに挑むランナーへ、救護チームとして活躍する医師から寒さ対策のアドバイスも。愛媛マラソン直前情報です。
きのう午後。マラソンコースの北条バイパスにほど近い松山市和気町にある酒店です。こちらでも愛媛マラソンに向け準備が進められていました。
松本酒店 松本富美子さん:
Q.これは何をしてるんですか?
「これは愛媛マラソンを完走されたお客様に差し上げる景品、プレゼントを作っている」
松本酒店では数年前から、愛媛マラソンを完走し、店を訪れたランナーにプレゼントを用意しているんです。もちろん、お酒が飲める20歳以上が対象です。
「常連のお客様、月に1回2回来てくれるお客様の中にマラソンが趣味の方が多くて。12~13人とか。応援したいなという気持ちが湧いてきて」
用意するプレゼントは、フィニッシュタイムに応じて全部で4種類。6時間以内で完走すると日本酒とスパークリングワインの小瓶におつまみのセット。お酒が苦手な人向けには、甘酒とお菓子のセットも用意しています。
最も好タイムの2時間台の男性、2時間から3時間台前半の女性には厳選した純米大吟醸の日本酒をボトルでプレゼント。
「富山県の羽根屋っていう大吟醸クラスのお酒。4380円くらい。定価で」
フィニッシュ後に店を訪れ、愛媛マラソンの完走証を見せると、無料で受け取れるんです!。(※無くなり次第終了です)
このプレゼントを考案したのは、去年7月にこの世を去った松本さんの母・貴子さん。
松本酒店 松本富美子さん:
「ある種そんな長い距離を走るなんて酔狂だなみたいな、いい意味で見守るような気持ち、母親みたいにお客さんを見守るいう名気持ちで始めたのかな」
今は亡き酒屋のおかあさんの想いを受け継いだ“ささやかな労い”のプレゼント。SNSに発信したことで徐々に口コミが広がり、県外ランナーからも来店したいという連絡がくるといいます。
「なんか、真のゴールはここだとかって引用ツイートした方がいて、ちょっとドキドキする。(お客さんには)自分にはできないことを成し遂げて、凄いなっていう心からの感嘆の気持ちと、なんでウチのこと見つけてくれたんだろうというのを聞きたい」
一方こちらは南海放送の中継車庫です。6時間のテレビ生中継でランナーの姿を捉え続ける中継車に、揺れを抑える機能付きの高性能カメラ「TVACS」を取り付ける作業が行われていました
読売テレビ技術局 加藤裕視さん:
「振動も抑えられて、各局さん、日本テレビ系列外でも使われている。素晴らしいカメラ」
ことしも、3台ある中継車に合計4台のTVACSを搭載。日本テレビ系列6局にカメラメーカーなどからも応援スタッフが集結しました。
東京計器 営業課 初参加 溝口寛人さん(24):
「いやーちょっとワクワクしてるというか、多分見たら自分も走りたくなっちゃうだろうなと思うので、来年はもし走るんであればどういう感じで行こうかなとかちょっとイメージしながら見届けようかな」
と、現れたのは第2放送車を担当する髙野真子アナウンサー。
高野アナ:
「中継車を見に来ました。生で選手のみなさん、市民ランナーのみなさんを見てお話しできるので、表情とか沿道に立っている家族とか、なんにも見逃したくない。全部目に焼き付けたい。(テレビを観る人も)走って頑張っている方を見たら勇気もらえるんじゃないかな。ぜひ一緒に応援してほしい」
こちらは、移動中継車の電波を南海放送本社に中継する山の上の鉄塔を担当するスタッフ。より良く電波を受信し一人でも多くのランナーの表情を届けられるよう、厳しい寒さにも雪にも負けず準備が続いています。
愛媛大学医学部付属病院の竹葉医師です。
愛大病院 救急科 竹葉 淳 医師:
「例年に比べて低体温症の発生が多くなるのではないかと思います」
竹葉医師によると一般的にマラソンに適した気温はおよそ10℃だということですが…当日の最高気温は7℃の予想。厳しい寒さの中、ランナーはもちろんボランティアや沿道で声援を送る人たちも“低体温症”に注意が必要だといいます。
「熱を産生する以上に寒い所を長時間走っていると体温が下がる方が強くなって、だんだん体温が下がっていって低体温になる」
時には、意識を失うなど重症化することもある“低体温症”。その前兆とは。
「体が震えるですとか筋肉がこわばってフラフラする。あとは気分が悪くなるのが、低体温症の最初の症状です」
竹葉医師によると低体温症の前兆に気付いたら服装を調整したり、コース上に用意されている救護所で暖を取るなど、早めに対処することが大切だといいます。
さらに…
「冬場は空気が乾燥しているので、汗をかいていないようでも寒い所にいるようでも、実は結構、体の中の水分って少なくなっていきます」
30分から1時間ごとにスポーツドリンクと水を一緒に摂取するほか、エイドなどでのこまめなカロリー摂取も心がけましょう。
そして大切なのが防寒対策。
愛大病院 看護師 別府 颯馬さん:
「まっすぐ走れずにコース上を蛇行して走ったり、全然受け身が取れずに意識を失うような感じで倒れてる方には優先的に声をかけて」
救命ランナーの経験がある看護師の別府さんに、ランナーの服装を再現してもらいました。ポイントは“なるべく地肌を見せないこと”。地肌が見えていると熱が逃げて体温が下がるため帽子や、ネックウォーマー、手袋などを利用します。
また汗が冷えないよう速乾性のあるインナーがおすすめ。さらにポリ袋で代用できるポンチョは保温効果があるため、レース中に脱ぎ着しながら体温調節ができるため1枚持っておくと安心です。
竹葉医師:
「我々救護はチームはしっかり準備を整えております。しっかり普段の練習の成果を出して楽しんでいただけたらと思います。ただマラソンはすごく体に負担のかかるスポーツですので、途中でどうしてもしんどくなってリタイアするときは、関門と救護所で判断をいただけたらより安心かなと思います」
今年の愛媛マラソンに挑むランナーたちへ。ゲストランナーでシドニーオリンピック金メダリスト、Qちゃんこと高橋尚子さんからメッセージが届いています。
高橋尚子さん:
「愛媛マラソンを走られるみなさん、こんにちは高橋尚子です。愛媛マラソンは、私が参加をしたマラソン大会の中でも本当に大好きなマラソンです。応援がものすごく多くて、走っている中では坊っちゃん団子をはじめとした給食もたくさんあって、走るだけで松山そしてこの愛媛の魅力を存分に楽しめるマラソンです。もちろん走られるランナーだけが主役ではありません。関わるみなさんが全て主役の大会です。私はみなさんと一緒に走りながらも、参加のみなさんの95パーセントの方々とハイタッチができるように、触れあえるように、当日は思いっきり盛り上げたいと思います、日本で一番、世界で一番盛り上がる、そんな時間にしましょう。愛媛マラソンでお会いしましょう!」