埼玉県八潮市の県道交差点で起こった陥没事故を受け同市が設置した市立八潮中学校の体育館では31日、避難から3日目を迎えた住民には疲労の色が増し、崩落が広がる可能性への恐怖と事態の早期解決を求める声があがっていた。
市秘書広報課によると、避難所には陥没現場付近の住民20人が29日から避難。日中に家に戻る人もいるが、夜には全員が戻り3日続けて就寝しているという。避難所には食料が運ばれているほか、市内の飲食店「との丸家 八潮店」のスタッフが体育館前でラーメンを調理し避難住民に提供していた。NTT東日本は、八潮中に隣接する市の複合施設「八潮メセナ」に自社コーナーを開設。固定電話と接続して、その番号のまま携帯電話のように無線で利用できる機器の貸し出しを始めた。
避難所の体育館では、陥没地点から半径80メートルの場所の自宅から避難している元男性会社員(70)が「ガスが漏れていたら一番心配」と顔を曇らせ、「陥没現場以外の土地の下は大丈夫と行政が宣言するまでは怖くて家に戻れない。いったい、いつになったら帰れるようになるのか」と不安な表情をみせた。
同じように、崩落現場近くに住み避難してきた市内の80代女性は「自分の家のお風呂に入れないのが一番つらいです」と疲労をにじませ、「早く家に帰れるよう、行政は安全確認調査を急いで進めてほしい」と訴えた。