平成23年の東日本大震災の津波で児童・教職員84人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小の被災者と、17年に兵庫県尼崎市で発生し107人が死亡したJR福知山線脱線事故の負傷者らが11月3日、東京都内で講演会「わたしたちはどう生きるのか」を開催する。未曽有の惨事から生還した者としてのさまざまな思いや、教訓をどう継承していくべきかなどについて語り合う。
参加するのは、当時大川小の5年で津波にのまれ、奇跡的に助かった只野哲也さん(25)と、脱線事故で2両目に乗車し重傷を負ったイラストレーター兼デザイナーの小椋聡さん(55)ら。
自身は助かったが祖父や母、妹を津波で亡くした只野さんは、被災した大川小の校舎の保存活動に尽力。小椋さんは、事故を起こしたJR西日本に事故原因の究明を求める活動や犠牲者の乗車位置を探す取り組みを行い、負傷者らによる手記の出版なども手掛けてきた。
脱線事故から10年となる27年、小椋さんは都内で展覧会を開催。事故直後の凄惨な車内の様子を描いた自身のアクリル画などを展示した。当時美大生で1両目に乗車し重傷を負った福田裕子さんも、事故をテーマにした絵画を寄せた。
只野さんと小椋さんは今年に入り、震災遺構として保存されている大川小や脱線事故現場の跡地をそれぞれ訪問するなど交流を深めてきた。来年で脱線事故から20年となるのを控え、都内で講演会を開催することになった。
午後1時(開場午後0時15分)から、千代田区の日比谷図書文化館日比谷コンベンションホール(大ホール)で。只野さんと小椋さん、福田さんがそれぞれ体験を語り、その後3人で公開対談を行う予定。聞き手は、脱線事故10年の展示を企画したフリーライターの木村奈緒さんが務める。
参加無料、先着205人。問い合わせは実行委員会の小椋さんまで。メールinfo@kotono-design.com