大阪市天王寺区清水谷町の27階建てタワーマンションで18日早朝に火災が発生し、13階に住む2人が死亡した。まだ寝床についていた住人らは、警報音や「避難してください」というアナウンスで飛び起き、慌てて非常階段を使って避難した。
5階に住む50代男性によると、午前5時半ごろにマンション中に警報音が鳴り響き、慌てて部屋を飛び出し非常階段で1階ロビーまで避難したという。当時エレベーターも稼働していたが、「いつ止まるか分からない」という不安から、住民の大半は非常階段を使って避難したという。
通常、はしご車が届く高さは30メートルほどで、マンションだと11階程度。消防法では11階以上にスプリンクラー設置が義務付けられ、床面積によって屋内消火栓の設置も定める。今回の火災でも火元の13階を中心にスプリンクラーが稼働し、消防隊員は屋内消火栓を使って消火作業に当たった。
1階ロビーには50~60人が避難し、消火作業が終わるまで1時間ほど待機していたという。ただ、高層階には火災を聞きながら避難しなかった人もおり、ある住人は「アナウンスで『13階で火災』と聞き、上まで火は来ないだろうと思って逃げなかった」と語った。前出の50代男性は「全館に火が回るようなひどい火災であっても、高層階の高齢者らは階段で避難するわけにもいかない」とタワマン生活のリスクにも言及した。
一方、火災や放水などの影響で、マンション全体で水が使えなくなり、立体駐車場も作動しないといった不具合も生じた。住人女性は「タワマンはどこかで火災があれば、全フロアに影響する。(今後の生活が)不安になる」と語った。