米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故現場で、特定の防衛省沖縄防衛局職員のイニシャルと顔写真を載せ「罪をねつ造、でっち上げた」などと批判する横断幕が掲げられていたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。沖縄県警は名誉棄損(きそん)容疑に当たる可能性もあるとみて捜査している。
捜査関係者らによると、横断幕は10月22日午前7時ごろに張り出された。現場にいた警察官が横断幕に特定の個人の顔写真が載っていることを現認。間もなく横断幕を設置した県内の男性から任意提出を受けた。
事故現場では9月26日、沖縄防衛局の職員が抗議活動中の70代の男性=暴行容疑で現行犯逮捕後、処分保留で釈放=から胸を両手で押され転倒させられる事件が起きており、横断幕に顔写真とイニシャルが載っていた防衛局職員は事件の被害者だったという。
横断幕には防衛局職員の顔写真に矢印が付けられ、「罪をねつ造、でっち上げた防衛局職員」「この男、行く末が見えている」と批判。「許されない!」といった文言も記載されていた。
沖縄防衛局は産経新聞の取材に「他人を誹謗(ひぼう)中傷したり、職務遂行を妨害したりするような行為は、許されないものと考えている。そのような行為が職員に対して確認された場合には適切に対応していく」としている。