自転車の危険な運転に対する罰則新設やペダル付き電動バイク「モペット」に関するルール明確化を盛り込んだ改正道交法が1日施行された。自転車を運転する際、携帯電話を使いながら走行する「ながら運転」や酒気帯び運転が厳罰化された。いずれも事故や違反の多発が背景にあり、各都道府県警は早速、指導や取り締まりに乗り出した。
「運転免許は持っていますか」。1日、東京都新宿区の区役所前交差点で、警視庁は、モペットの公開取り締まりを行った。モペットは一見、自転車のようだが、電気モーターで走行できる。ペダルがついていることで、自転車と勘違いされやすく、無免許運転や歩道走行などが問題となっていた。
道交法上では、モペットは原付きバイクなどに分類され、運転には免許が必要で、ヘルメット着用やナンバープレート装着が義務づけられている。改正法では、モーターを使用せずペダルだけで走行した場合も、原付きバイクなどの運転に該当すると明記された。
この日のモペットの公開取り締まりで、警視庁が確認した違反は、無免許や歩道走行などで、その数は計13件に上ったという。
自転車の罰則強化
取り締まりとともにながら運転の禁止など自転車の罰則強化についてもチラシを配るなど啓発が行われた。
ながら運転をめぐっては、通話のほか、交流サイト(SNS)のやりとり、動画の視聴といった「危険」な運転も散見される。改正法では、事故などを起こした悪質なケースでは1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになった。
飲酒に関する規定も見直された。これまでも飲酒などで正常な運転ができない恐れがある「酒酔い運転」は罰則の対象だったが、「酒気帯び」も3年以下の懲役または50万円以下の罰金となった。
安全環境が整えられた自転車の利用。警察は今後もルールの周知を続け、違反の抑制を図る構えだ。(橋本愛)