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人あふれる三鷹駅構内 女性専用車両も解除…6月だけで9件、人身事故続出のJR中央線 

産経ニュース 2024年7月2日 13時4分

首都圏を走るJR中央線で、人身事故による運転見合わせが多発している。記者も2日午前にJR三鷹駅を利用しようとしたところ、同駅で直前に発生した事故の影響で改札内に入ることができなくなり、駅構内にあふれた人の波の中で数十分間待つことを余儀なくされた。中央線は6月だけで9件の人身事故が発生し、その都度運転を一時見合わせているだけに、同駅では「またか」とため息をもらす利用客が目立った。

入場規制のロープ

同駅では8時5分ごろ、快速ホームで人身事故が発生。直後から快速と各駅停車の双方で運転を見合わせた。通勤・通学時間と重なったこともあり、首都圏全体で7万3000人の足に影響した。

記者は、同駅に向かうバスの中で「三鷹駅で人身事故が発生し、運転が止まっています」というアナウンスを聞いた。駅に着くと、南口のロータリーには救急車や消防関係の車両が横付けされ、改札には入場規制のためのロープが張られている。駅構内は身動きが取れないほど混雑しており、警察官が「運転再開まで、もうしばらくお待ちください」と声をかけ続けていた。近くに居合わせた40代の会社員男性は「また中央線か。うんざりだ」と漏らした。

中央線は午前8時53分に運転を再開したが、混乱は簡単には収まらない。朝の通勤時間帯に1両設定されている「女性専用車両」は、「一人でも多くのお客さまに乗っていただくため」として、男性にも開放された。汗をぬぐいながら運転再開を待っていた50代の会社員女性は「混雑が激しくなる中で女性専用車両が解除されるのはつらい。早くホームドアを付けてほしい」と話していた。

遅れるホームドア設置

JR東日本によると6月、中央線で発生した人身事故は9件。①3日に国分寺駅②5日に高円寺駅③8日に高円寺駅④12日に三鷹駅⑤18日に西荻窪駅⑥23日に東小金井駅⑦24日に西荻窪駅⑧26日に八王子駅⑨28日に市ケ谷駅-と続いた、いずれも運転を一時見合わせた。26日はJR飯田橋駅付近で沿線火災も発生し、長時間にわたってダイヤが乱れた。

現在、中央線の東京から高尾間の快速ホームではホームドアが設置されていない。同社では、令和13年度末までに、首都圏全体で中央線快速も含む在来線の主要330駅に設置する計画を進めているが、半導体や人手不足の影響で時間がかかっていると説明する。さらに「ホームドアの設置目的は乗客の転落防止のためで、人身事故防止ではない」とも説明している。(飯塚友子)

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