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文春の訂正放置で記者誤認、フジ幹部関与前提の質問続出か 10時間超会見に影響の可能性

産経ニュース 2025年1月29日 19時22分

元タレントの中居正広さんの女性トラブルにフジテレビの社員が関与していたと報じた週刊文春電子版が記事を訂正したことについて、「もっと早かったら長時間会見にならなかったのではないか」という指摘が上がっている。27日の同局の会見時間は10時間超。文春は同日午前に有料ページに「トラブル当日の会食を誘ったのは同局編成幹部ではなく、中居さんだった」と訂正を掲載したが、把握しないまま参加した記者が多かったと見られる。編成幹部の関与という前提に立った質問に対し、同局側が否定する「不毛な平行線」が繰り広げられた。

27日の会見には437人の報道関係者が出席。トラブルの把握時期や経営陣の責任、経営上の影響など多岐に渡る質問の中で複数回繰り返された質問が「編成幹部の関与の有無」を問いただすものだった。

会見に参加した港浩一前社長らは「社員の関与はない」と繰り返した。プライバシーなどから別の質問では明確な回答を避ける傾向があっても、この点だけは冒頭から終始一貫していた。ただし、報道陣は納得せず同種の質問が繰り返された。

同局側は中居さんや編成幹部への聴取や編成幹部の通信履歴の確認、9日に中居さんが出した「当事者以外の関与はない」とするコメントを根拠としたが、女性自身への聴取はなし。編成幹部らへの聴取内容や正確な回数、実施時期も明らかにはされなかった。

「訂正」周知されず

ある記者は「女性への人権侵害があったかもしれないとしながら、十分な調査だったのか」と追及。同局側は「一切関与していないと信じる」と回答した。別の記者は「女性へのヒアリングがないのになぜ編成幹部の関与がなかったと言い切れるのか」と問いただすすと、「言い切れる」と断言した。

会見では文春が報じたトラブルのあった日の前に、中居さんの自宅で開かれたバーベキューパーティーについても及び、記者から「編成幹部が設定したもので女性は言われたまま参加したのではないか」という質問が出た。港社長は「(編成幹部が)声をかけ、立ち回りのようなことをして参加したことはあったと思う」としつつ、「トラブルの伏線になったのがそのパーティーだったのかまでは分からない」と答えるにとどめた。

文春は既に8日発売の16日号で食事会を呼び掛けたのは中居さんであって、フジの編成幹部ではないと「軌道修正」していたが、この時点でも類似案件などを含め編成幹部の関与を思わせる記事を掲載していた。会見時点で文春、フジテレビ、中居さんの3者が編成幹部の主導ではない点で一致していたが、訂正が周知されないまま、報道側が「会食に誘ったのは編成幹部」という初報の先入観から抜け切れずに同種の質問を繰り返していた可能性は否定できない。

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