昨年1月に大阪湾で死んだクジラの処理費が約8千万円に膨れ上がった問題に関連し、大阪港湾局は3日、令和4年4月から6年7月までの契約手続きに関する調査結果を公表した。今回の問題以外を含め、契約マニュアルに違反するか、違反する可能性のある行為が計29件確認されたほか、契約金額の支出に際し、決裁権者ではない課長が専決していたとした。
クジラの処理費を巡っては、大阪市契約管財局が6月に大阪港湾局の契約手続きに関する調査報告書を公表。市の内規で禁止された関係業者との会食など6項目の問題点を指摘した。外部有識者らで構成する市入札等監視委員会は、契約マニュアルに反する行為が他にもないかなどを調査し、12月をめどに改善策を示すよう求めていた。
今回の大阪港湾局の調査は8~9月に約400人の職員に聞き取りを実施した。
調査結果によると、契約マニュアルで禁じられた行為のうち、関係業者などとの間で贈答品や事務用品を受け取ったり、会食・パーティーをしたりするといった不適切な行為が計28件確認された。これとは別に、マニュアルの禁止行為には該当しないものの疑惑を招く行為として、クジラ処理に際し委託業者側に私費で購入した日本酒を贈ることがあった。
専決手続きの誤りについては、契約締結の決裁を局長から得ていたことを理由に支出の決裁を課長が行っていたという。
今回の問題を受け、大阪港湾局は市契約管財局や外部専門家による研修を実施した。契約金額の支出に際しては、局長の決裁を得るよう通知を出し、9月から運用を改めたとしている。
大阪港湾局の担当者は「マニュアルの周知徹底ができていなかった。今後は違反がないようにしたい」と述べた。