顧問税理士として契約を結んだ2社からの依頼で脱税を指南したとして、大阪国税局が法人税法違反や消費税法違反などの罪で、大阪市平野区の箱谷茂広税理士(63)を大阪地検に告発していたことが3日、関係者への取材で分かった。計約3億円超の所得を隠し、脱税額は計約1億2700万円に上る。
大阪国税局は、顧問先の大阪府寝屋川市の「金田空調設備」と大阪市城東区の「興陽ボーリング」(清算中)の両前社長と法人としての両社も同罪で告発した。
関係者によると、別の顧問先に架空の請求書を用意させ、架空の外注費を計上する手口で令和元~4年の3年間、2社の法人税などを脱税。隠した所得の一部を報酬として得ていたという。
また、この税理士が顧問を務める大阪市東淀川区の「ヒラタ工業」の前社長と法人としての同社も計約1億2千万円を脱税したとする同罪で告発した。ただ、関与の度合いを考慮し、同社への告発では税理士を対象から見送ったとみられる。