浄土宗総本山の知恩院(京都市東山区)の三門(国宝)の柱に落書きとみられる傷が見つかった事件で、知恩院は20日、再発防止に向けて警備態勢の強化や防犯カメラの増設などを検討していると明らかにした。新谷仁海執事(63)が記者団の取材に応じた。
知恩院によると、警備員が敷地内を1日に約5回巡回するなどしていたが、不審な動きをする人物は把握できなかった。警察に届け出るほどの被害は今回が初めてという。近く府や京都市、文化庁と協議を進め、修復に取り組むとしている。
新谷執事は「三門を傷つけられたことは大変残念。ほかの寺社でもこのような被害が起きるかもしれない。警備態勢を整えてほしい」と呼びかけた。
京都府警東山署によると傷が見つかったのは、三門の柱1本で、範囲は縦約18センチ、横約12センチ。アルファベットの落書きのような複数の傷があった。今月18日、寺の関係者が発見した。同署は文化財保護法違反の疑いで捜査している。